社労士をしていて労基法がらみでもっとも質問が多いのが、有給休暇・残業手当・休日出勤の3つです。
給料に直結する部門ですし、意外と会社の総務部門の人もキッチリ理解できていないのもこの3つ。
今回はブログの読者の方からいただいた質問に対して回答してみます。
有給休暇は繰越しできない?
読者からの質問
このような質問をいただきました(仮にAさんとしておきます)。
私の職場では有給休暇を繰り越す場合、年20日の有給を2日しか
以前の職場は2年繰り越してMAX40日だったのですが・・・
今の職場に問い合わせると上限は会社が決める事なので当社は20
会社ごとに決められることなのでしょうか?
Aさんの会社では、有給休暇の繰越しは認められず使用しなかった休暇を翌年に持ち越すことは出来ないんだそうです。
果たしてコレ労働基準法として正しいのか?
コレは明らかに誤っています。
そもそも有給休暇というのは、会社に雇用されて一定期間勤め、一定以上の出勤をしていれば全員に与えられる権利です。
正社員やパート、アルバイトなどの雇用の形態に関係なく、有給休暇は付与されます。
そして、この付与された有給休暇の時効が2年なんです。
2年前に取得した有給休暇は、残念ながら時効により権利は消失してしまいますが、ご質問者のAさんの会社のように翌年消えてしまうというのは認められません。
就業規則は、労働基準法に達しない規則自体が無効となりますので、Aさんの会社の規則自体が無効となる可能性が高いのです。
会社に主張しにくい
とはいえ、まだ入社したばかりだったり、総務の人が厳しかったりする場合、なかなか正当な意見であっても主張しずらいかもしれません。
このような場合、労働基準監督署や社会保険労務士、弁護士などに相談するといいのですが、そこまで大事にしたくないというケースもあるでしょう。
その場合は、私ども社会保険労務士のような専門家の意見を添えて、総務部門に相談してみてください。
その際にあまり法律ではこうなってます!というけんか腰ではなく、本来ならこのようになっていると思うのですが、認識誤っていますか?
とできるだけ下から機嫌を損ねないように質問することを推奨します。
それで調べてみますとなれば、主張が通る可能性は高まります。
逆に突っぱねられたり、規則だから仕方ないと突っ返されたり、調査しとくと言いながら放置されたりするような場合は、波風立てるしかありません。
そうなったら労働基準監督署に相談してみるといいでしょう。
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