果たして弁護士は労働者と経営者どっちの味方なんでしょうか?
弁護士は労働者と経営者どっちの味方
弁護士という存在
まず弁護士というのはどんな存在なんでしょうか?
社労士という職業がら弁護士の先生には相談したり、講演を受けたりと絡む機会も多いのですが、一般の方々はどうも弁護士に対するイメージが違っている気がします。
まずそもそも、弁護士は困った時に助けてくれる正義のヒーローではありません。
ドラマや映画で取り上げられる機会が多いためどうしても神格化してしまいがちな職業ですが、当然ながら弁護士だって売り上げを上げなきゃ、利益を上げなきゃ生活が出来ません。
弁護士は、法律という知識を売り物にしたビジネスを展開する職業なのです。
だからどっちの味方なのか?
困った人を助けるのが仕事じゃないのか?
というような過大なイメージを弁護士に対して持ちすぎてはいけないんです。
弁護士は単なる困った人の相談役ではありませんし、原則誰の味方でもありません。
自分を守ってくれることもあれば、自分に対して損害賠償などの攻撃をかけてくることもある。
弁護士はあくまでも中立な立場と考えた方がイイでしょう。
経営者の味方と労働者の味方
ですが、そんな弁護士の中にも経営者の味方、経営者側の弁護士とそうでない労働者側につく弁護士が存在するのも事実です。
なぜ弁護士によってこのような差がつくのか?
それはビジネスモデルに差があるからなのです。
経営者側に立つ弁護士は、どちらかと言えば企業の顧問弁護士としてビジネスを広げるスタイルになっていきます。
企業の顧問弁護士は労働者との問題だけでなく、契約の問題や企業間の訴訟など、あらゆる知識経験が必要となりますが、売り上げの柱となるのは企業です。
ですので、クライアントとなる社長さんと敵対していてはビジネスになりませんので、自然と社長さん側の立場に立ってくれるようになります。
一方、労働者側の立場に立つ弁護士のビジネスの柱は、企業に対する訴訟や交渉となります。
未払い残業や不当解雇などによる訴訟案件が多くなりますので、クライアントは労働者。
その対抗先は会社の社長さんになってきますので、こちらのビジネスモデルの弁護士事務所は労働者よりになっていくのは必然なんです。
まとめ
弁護士に限らず、税理士・会計士・司法書士・社労士などの士業はすべてビジネスです。
ビジネスとして成り立たせるためには時には味方になることもあれば、時には敵側の立場になることだってあるものです。
士業は先生と呼ばれる立場ではありますが、その前にイチ職業人。
あまり過度にイメージを広げずに、業務の一環として接することを推奨いたします。