IT業界と一言で言っても様々な形態の会社があります。
ソフトウェアを制作する会社。
ゲームを制作する会社。
SIerと呼ばれるシステムの開発、構築を請け負う会社。
ネットワークなどのインフラ基盤を提供する会社。
ハードウェアを作成し提供する会社。
これらの会社は、誰もが知っている名の知れた大企業ばかりです。
ですが、日本のシステムエンジニアの大半は、これら大企業の社員ではなく、そんな会社に派遣とかSESという形で常駐している人たちなのです。
派遣とかSESの説明はこちら
そしてそんなシステムエンジニアを派遣する会社は、退職者が多く人材流出の激しさに常に頭を痛めています。
なぜシステムエンジニアの派遣会社の社員は、すぐに会社を辞めてしまうのでしょうか?
派遣システムエンジニアが会社を退職する理由
最初から腰掛のつもりだ
今のIT業界は、異常なほどの売り手市場となっています。
中小企業どころか大手企業ですら採用が困難なほどの人材難です。
もはやJAVAとかPHPのエンジニアなんて、業界経験3年もあれば高単価で奪い合いになる時代。
とはいえ、業界未経験者を採用してくれるほど大手企業は甘くない。
やっぱりそこそこの経験がないと大手は雇ってくれません。
ですが、業界未経験者でも積極採用!という会社なら、ずぶの素人でも入社することは可能です。
で、大抵業界未経験者大歓迎の企業は、システムエンジニアの派遣会社なのです。
そんな会社に入社して、経験を積んだら他の会社に転職しようと初めから企んでいるのです。
だから3年も経験を積んだらホイホイと転職してしまう。
こればかりは、派遣システムエンジニアの会社の宿命なので仕方ないのかもしれませんが、我慢して経験を積ませた会社からすれば、ちょっとやるせない気持ちになるのは間違いありません。
給料が安い
派遣系システムエンジニアは、どうしても給料は低く抑えられてしまいます。
ペッパーくんよりも安くて引いたというネタもTwitterで流れていますが、あながちネタでもないかもしれない。
僕が派遣SEをやめようと思ったきっかけ、数え切れないほど色々あるんですけど「倉庫の中で寝てるペッパー君のリース料の方が自分の月収よりも高い」って知ったときが一番やめてやるゲージ上がった場面でしたね。
— FunnyCreative (@Funny_Creative_) 2018年11月13日
派遣でも特に商流が低い会社の社員はもっと安くなる傾向にあります。
商流が低いというのは、元請けからの距離が遠いという事。
官公庁→大手SIer→大手SIerの子会社→派遣会社①→派遣会社②→派遣会社③
となれば派遣会社③までの間に3社も入っているんだから、価格はドンドン下がるのも当たり前。
当然ながら給料も安くなる一方です。
そりゃ、生活も苦しくなりますから社員の流出も激しくなります。
ですが、近年は社員のやる気をださせる還元率の高さを売りにした会社も多くなっています。
もし、どうしても今の給料に納得がいかないのであれば、還元率の高さを売りにしている会社に転職するという手もあるでしょう。
もちろん、還元率が高いということは、それなりのリスクも受容する必要はありますが。
将来が不安になる
派遣システムエンジニアの多くは、将来に不安を抱えています。
- この先もずっと客先に常駐できるのだろうか?
- 将来は会社で管理職とかやらされるのだろうか?
- うちの会社のオッサン最近見かけないけど解雇されたのだろうか?
- 今の常駐先のスキルだけで生きていけるのだろうか?
- この会社定年まで持つんだろうか?
年齢を重ねるほどこんな不安が大きくなっていきますので、どうしても社員の定着率は低くなってしまいます。
不安を解消させるには、会社がこんな不安を感じさせない仕組みを作り上げるしかありません。
簡単なことではありませんが、これが出来ないと社員の心は離れていってしまいます。
まとめ
派遣システムエンジニアの会社の社員を辞めさせないようにする特効薬はありません。
給与を上げても、福利厚生面を改善しても、イベントを開いても残念ながら社員の流出が止まることはありません。
ですので、派遣システムエンジニアの流出が激しいのは、この業界の特徴と捉えポジティブに考えた方がいいのです。
すぐに辞めてしまう社員もいれば、長く勤務してくれる社員もいます。
その社員にとっては、会社は無くてはならない存在なのです。
長く働いてくれる社員をしっかりと守り続けていけば、自然とその流れに賛同し、付いて来てくれる社員も増えていくはずです。
これから先、70歳まで働くのが当たり前の時代です。
派遣システムエンジニアだって、60歳でも普通に客先で勤務している時代がくるはずです。
システムエンジニアの派遣会社は、今後ますます重要なポジションになってくる貴重な会社になっていくはずです。