残業代を削減するのであれば、残業時間を減らす活動をするのが一番だと思いますよ。
36協定の範囲内で社員が疲弊しない範囲でお願いします。
基本給を減らせば残業代は減らせるのでしょうか?
基本給と残業代の計算
基本給を減らしても残業代は減らない
大きな誤解なんですが基本給を減らしたところでいわゆる残業代、割増賃金が減ることはありません。
今まで基本給が30万円だったところを基本給15万円に変更する。
あとの15万円は役職手当にするとか、職能給にすれば基本給の15万円が割増賃金の計算のベースになるから残業代を削減できるのでは?
とはならず、いくら基本給を分けたところで合算した30万円が割増賃金のベースになります。
役職手当とか職務手当とか名前をいくら変えたところで無駄なんです。
割増賃金の計算から省くことが認められているのは以下の手当のみとなります。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金
え?それじゃ基本給を15万円にして全員に住宅手当で15万円にすれば残業代減らせるんじゃね?
という考えもダメです。
労働者に一律に支払われる手当は割増賃金の除外にはならないんです。
家族手当なども小さいお子さんがいる家庭に支払われる手当ですし、住宅手当も親元に同居しているような社員には必要ありません。
生活に必要なお金を手当で補助しますよという意味合いの手当てに関しては、割増賃金の計算からは省いてイイということ。
残業代を減らす目的ではないんですね。
基本給を減らすメリットは?
それじゃ基本給を減らして手当とか職能給とかに変えても意味ないの?
残業代の削減にはつながりません。
ですが、賞与の支給の際には基本給という考え方は役に立つでしょう。
支給額が30万円なら基本給を20万円程度にして、それ以外を手当てとして支給する。
賞与の支給は基本給をベースにするという手法は、多くの企業で採用されています。
賞与というのは、会社の業績によって上下します。
会社の業績が良い時は、3か月4か月と支給してあげたいし、そうでないときは1か月とかそれ以下になることもあるでしょう。
そんな時、基本給額を高めに設定してしまうと、社員一律数か月という計算方法を取ってしまうと会社の経営を圧迫してしまいます。
社員にとっては賞与のベースが下がるのは納得できないかもしれませんが、業績が良い時は多く支給されるのですから、これくらいは納得すべき事項かもしれません。
まとめ
基本給という言葉を変えて残業代を減らそうとしても法律で許可されません。
原則労働基準法は、労働者が弱く、経営者が強いという立ち位置で考えていますので、経営者の思惑通りに賃金を操作するという事は認められていないのです。
残業代を削減したいのであれば、出来るだけ業務を効率化させて残業しない働き方を目指していくべきです。
経営者、管理職が率先して業務を終わらせて早く帰る習慣をつけていけば、残業は自然と減っていき残業代も削減されていくはずです。