社会保険労務士とか行政書士とか司法書士って何する人?
どんな仕事する人なの?
という人は相当多いのが現実です。
大体社会保険労務士の私も、実際なってみるまでは何をやっている人なのか?よく知りませんでしたから、それが当たり前なのかもしれません。
ここでは、社労士の1号業務とか2号業務とか固い話ではなく、実際にこんな仕事をやってますよ!というリアルなお話を紹介します。
社会保険労務士のお仕事
就業規則作成
就業規則の作成は、社会保険労務士の大きな仕事の一つです。
就業規則なんて本屋で買ってきたり、インターネットでダウンロードすりゃいいじゃん。
と思われるかもしれませんが、就業規則って本当に奥が深い。
本屋で買ってきたものとかネットで落とせるものは、いわゆるモデル就業規則と呼ばれるもので、ありきたりのことしか書いてないんです。
世の中には多種多様の形態の会社がありますので、モデル就業規則じゃ会社の特性に柔軟に合わせることはできません。
だから、労働基準監督署から是正勧告が来たりして、本屋のモデル就業規則をそのまま提出してもまず通りません。
勤務体系や賃金体系、退職金制度や定年退職制度など、ありとあらゆる事項を会社に併せて設計していく必要がある。
さらに毎年変わる法改正に対応して、常に最新の状態にしておく必要があるんです。
だから就業規則ってホント大変だし重大なお仕事なのです。
なんでもいいやと思われている社長さんは、後々モメ事を起こさないためにも、就業規則こそ専門の社労士に依頼することをお勧めします。
助成金申請
助成金の申請も社労士の得意分野です。
雇用に関する助成金や高齢者雇用に関する助成金など、日本社会は誰も知らないような助成金で溢れているのです。
かと言ってすべての会社が、すべての助成金を受けられるわけではありません。
会社に応じた助成金を探し出し、手続きから受給まで一手に引き受けるのが社労士の仕事。
社長さんじゃ集められないような助成金情報とか、面倒くさい手続きのノウハウを持っているのが社労士なのです。
助成金は原則無償で受け取ることが出来て返済の義務もないため、経営者にはとても喜ばれる制度です。
そのため、助成金を取ってくれる社労士は会社にとってとても有難い存在です。
年金申請代行
年金の申請代行も社労士の主なお仕事。
年金には通常の年齢を重ねたら受け取れる老齢基礎年金や老齢厚生年金だけじゃありません。
障害年金、遺族年金、振替加算、寡婦年金、脱退一時金など実はこまごました多種多様の年金があるんです。
しかもその年金制度はかなり複雑。
こちらで紹介しました振替加算制度など、一般の方では絶対に理解できないほどこんがらがっている制度なのです。
そんな手続きを紐解いていき、手続きの代行までできるのは社労士しかいません。
また、最近では障害年金の手続きを専門にされている先生も数多くいます。
精神疾患なども障害年金の受給資格として認められるのですが、手続きがかなり面倒。
この辺りは専門的知識をもった社労士の得意分野ですので、自分が受給対象なのかも?と悩んでいる人は、お近くの社労士に相談してみてください。
給与計算
毎月の給与計算も社労士の大事なお仕事。
給与計算はもちろん給与計算ソフトが計算してくれるのですが、ソフトだけで完結するのならこんな簡単なことはありません。
タイムカードから残業時間を計算したり、深夜時間を計算したり。
シフト勤務の人がいたり、宿直勤務の人がいたり、会社によって勤務形態もことなり、賃金形態も異なるのです。
さらに社会保険料の変更や雇用保険率の改定など、給与計算って意外と骨が折れる作業です。
給与計算だけをメインで受けている社労士さんもいるほど奥が深い仕事です。
各種手続き
ハローワークや年金事務所への各種手続き業務も社労士の仕事です。
- 健康保険
- 雇用保険
- 労災
- 入退社手続き
- 36協定
など、会社を経営していると様々な手続きが必要になります。
これら総務、労務、人事に関する手続きを代行するのも社労士の仕事。
専門の総務部門のスタッフを雇える会社は社労士に代行を依頼する必要もないかもしれませんが、小さい会社であれば専門の総務スタッフを雇う余裕はありません。
そんな会社は面倒な手続き業務は、社労士にアウトソーシングした方が自身は経営に注力できるはずです。
講演・セミナー
実務よりも講演やセミナーを中心に活動されている社労士の先生もいらっしゃいます。
年金セミナーとか、労務管理セミナー。
労働基準監督署対策セミナーとか確定拠出年金セミナーなど、自分の得意分野を生かした活動方法です。
人前で話すのが得意な人は、このようなスタイルも面白いかもしれません。
顧問業務
顧問社労士とは、その名の通り会社の顧問として活動する社労士のことですが、顧問にもいろんなスタイルがあります。
顧問先の会社の手続き業務などをすべて引き受けるスタイル。
逆に手続き業務はほとんどせず、経営コンサルタント的立場で活動するスタイル。
最低限の手続き業務だけを引き受け、少額で顧問契約をして、その分顧問数を増やして売り上げを上げるスタイル。
顧問社労士に決まった形はありません。
中には社長さんの悩みを聞くだけ、社長さんのお守りのような存在になっている社労士先生もいます。
まとめ
社労士という仕事は、今回上げた仕事以外にも、もっといろんな仕事がある幅広い資格業なのです。
働き方改革やブラック企業という言葉が主流になっている昨今、社労士の需要はさらに高まってくるはずです。
社労士は、会社にとって最も大事な人材を守る仕事です。
とても魅力があり、さらに将来性も抜群の社労士。
興味があれば、ぜひ社労士試験に挑戦してみてください。