2018年第50回社会保険労務士試験の合格者が発表されました。
合格された皆様本当におめでとうございます。
今年の社労士試験の総評をお伝えいたします。
2018年第50回社会保険労務士試験の総評
合格者数と合格率
受験申込者数:49,582人
受験者数:38,427人
合格者数:2,413人
合格率:6.3%
今年の社労士試験の合格率は6.3%となりました。
昨年とほぼ同程度(6.8%)の合格率で合格者数は2413名。
上のグラフを見ても分かる通り、合格率は2015年の2.6%という驚異的な低さから解消され落ち着いてきたようですが、合格者数もここ数年2千人台で推移しています。
受験者数もピークの2010年から徐々に下がっていますので、今後数年は2千人台の合格者数となるのではないでしょうか。
合格基準点と救済科目
【合格基準点】
選択式 23点(ただし社会保険一般常識、国民年金は2点以上)
択一式 45点
選択式試験の合格点は23点。
科目補正いわゆる救済科目は、社会保険一般常識と国民年金の二科目となりました。
国民年金はまず確実でしたし、社会保険一般常識も各資格学校のデータでは点数が低めでしたのでこの辺りは予想通りだったのですが、労働一般常識、厚生年金は救済科目とはなりませんでした。
以下の厚生労働省から発表されている科目別平均点を見ると、最も低いのが国民年金で1.8点。
続いて社一が2.1点、労一が2.3点となっています。
社一も労一もほぼ同じくらいなのに・・・
ですが、社一の1点以下割合は36%、一方の労一は27.3%となっています。
労一は以下の基準を満たしていないため救済科目とはならなかったようです。
【総得点】
前年度の平均点との差に応じて前年度の合格基準点を上げ下げする。
【科目基準点】
- 科目基準点(選択式3点、択一式4点)以上の者が全受験者の50%未満の科目を引き下げる。
- 引き下げによる基準点を満たしてないものが30%以上いない場合は、引き下げは行わない。
択一式はほぼ想定通りの45点。
受験者数全体の平均点は32.1点。
択一式は、ここ数年45点前後で推移していますので、今後合格点が下がることは考えにくいでしょう。
今後の社労士試験
合格点や合格者、合格率が数年安定傾向になっています。
社労士試験は、以前のように10%を超えるような合格者を出すことは無いと考えた方がいいかもしれません。
受験者数約4万人の中から選ばれるのはわずか2000人程度。
100人の中で5~6人しか受からない試験ですので、資格学校の合格判定ではAランクを維持するくらいの意気込みでないと合格は難しい試験になっています。
ですが、全く歯が立たないような試験ではありません。
綿密な学習計画を立てて、1年間試験勉強に没頭すれば十分短期間で合格できるのが社労士試験の大きな魅力です。
合格率が下がった、難しくなった、というような短絡的な意見に耳を傾ける必要はありません。
どんなに合格率が下がっても、どんなに難化傾向にあっても毎年合格できる人はいる。
しかも、毎年1度目の受験で合格してしまう人もいるんです。
それも1度目で合格してしまう人は、いわゆる高学歴の秀才ではありません。
一般の会社に勤めているような普通の人でもアッサリと合格してしまったりするのです。
惜しくも今年涙を飲んでしまったという人は、今年の試験を振り返ってみて下さい。
何が足りなかったのか?何が必要だったのか?
自己分析をしっかりとすませてから来年の試験に向かってください。