社労士が教える得する年金の貰い方!繰り下げ支給制度とは?

老後の生活を支えるのは間違いなく年金です

将来年金なんて受け取れない。

年金制度なんて破綻する。

だから年金なんて払うだけムダ!

年金なんかに頼らず投資した方がイイ!

なんて考えを持っている人は、今すぐ考えを改めて下さい。

年金が破綻することなんてあり得ませんし、もらえなくなることもあり得ません

逆に投資に失敗したらどうするのでしょうか?

国は何も助けてくれません。

最終的に頼れるのは年金なんです。

ここでは、年金額を増額できる繰り下げ支給について出来るだけわかりやすく解説してみます。

繰り下げ支給は得なのか?

繰り下げ支給ってどんな制度

まず通常であれば、年金は65歳になると貰える権利が発生します。

でも、65歳になってもある程度の収入もあるし、蓄えもあるから、今年金に頼ることはないんだよな。

もちろんくれるモノならありがたいけど、年金はもう少し働けなくなってからもらうようにしようかな。

と、考えた方が自ら申し出た場合は年金を遅らせて支給してもらうことが出来る制度です

この自らというところに注意してください。

原則、年金というのは支給開始年齢(今なら65歳)になったら、勝手に支給されるような制度ではありません。

65歳になり年金支給年齢になったら、自ら年金請求の手続きをしないと受け取ることが出来ません。

ですので、繰り下げ支給の申請も66歳になったら自分で繰り下げて下さいね!と手続きをしないと勝手に繰り下げてくれることはありません。

繰り下げ支給はお得なのか?

そもそも繰り下げ支給をするとお得なんでしょうか?

こちらに厚生労働省の試算が記載されています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181102-00000117-mai-soci

厚生労働省の試算では、厚生年金も含めて繰り下げ支給をすれば、月額10万円程度プラスになるとしています。

なぜ繰り下げ支給をすると年金が増えるのか?

繰り下げ支給をすると、年金額に1000分の7の割合で増額されるからです。

以下が繰り下げ支給の加算を現した表になります。

繰り下げ支給の申し出をした期間 加算される率
1年から2年 0.12(112%支給)
2年から3年 0.26(126%支給)
3年から4年 0.43(143%支給)
4年から5年 0.64(164%支給)
5年超 0.88(188%支給)

年金をもらう年を1年間後ろに延ばせば、112%の割合で増える。

2年延ばせば126%という風に延ばせば延ばすほど年金は増えていきます。

最大で5年間以上後ろに倒して年金を貰えば、188%増しになって年金がもらえるのです。

でも、年金もらえる金額を増やしてもらっても5年間貰ってないんだから、その貰える総額は少なくなるんじゃない?

繰り上げ支給という制度を使えば、60歳から年金貰えるんだから、80歳くらいになったら総額で早く貰った方が年金増えるんじゃない?

そんな疑問を持つかもしれません。

確かに65歳から年金を受け取り、仮に年額100万円だとします。

70歳まで受け取れば受け取った総額は500万円。

繰り下げの場合、確かに100万円が188万円になってもらえるのはわかるけど、繰り下げてない人はもうすでに500万円貰っている。

何歳まで生きれば追い越すことが出来るの?

それをこちらの記事でシュミレーションしてみましたので、詳しくはこちらをご覧ください。

年金は繰り上げと繰り下げどっちがお得?早く貰う待って貰う

60歳から繰り上げて支給した人は、大体76歳の時点で繰り上げてない人に総額で抜かれ、その後もドンドン差がつけられます。

繰り下げて支給した人は、82歳まで生きると普通に貰っている人の総額を超え、その後ドンドン差をつけていくことになります。

つまりはボーダーラインは大体82歳という事になるのです

現在の日本の平均寿命は83.9歳と言われていますので、82歳だとギリギリ損するのでは?

と思うかもしれませんが、平均寿命というのは若くして亡くなった人も含まれています。

最近では少なくなりましたが、幼少期に無くなってしまう子供、若くして事故や病気で無くなってしまう人、そんな人も含めて83歳。

ですので、80歳近くまで生きた人の多くは、90歳近くまで普通に生きていける時代です。

そう考えた時、82歳以降の数年間というのは貴重な時間になるのではないでしょうか?

最近の70歳は、普通に元気よく働いています。

まだまだピンピンしている人も数多くいます。

そのように総合的に考え、繰り下げ支給はお得か?損か?と聞かれれば、お得な制度であると言えるでしょう

繰り下げ支給を出来る人

90歳くらいまで健康に生きる人が多い時代と考えれば、繰り下げ支給はお得な制度です

もちろん70歳まで5年間も繰り下げる必要はありません。

自身の状況に応じて、1年間、3年間と繰り下げ期間を考えていけばイイのです。

とはいえ、すべての人が繰り下げ出来る訳ではありません。

生活に困窮している。

働く体力がない。

老後は家でのんびり過ごしたい。

このような方々は無理して繰り下げという制度を利用する必要はありません。

繰り下げ支給制度を有効活用したいのであれば、65歳以降も働ける環境、そして健康面と体力面を強化していかなければなりません。

70歳になっても現役で働ける環境を作ることが出来れば、80歳を過ぎてもお金に困らない生活を送ることも可能になってくるはずです。

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