労働人口が減少し、空前の人材難の時代を迎える日本社会。
これからの時代、人を取ることよりも人を辞めさせないマネジメントがとても重要になります。
特に中小企業の場合、キーマンとなる人材の流出だけはなんとしても避けなければいけません。
どうすれば部下は辞めないのか?
どうすれば部下は迷うことなく業務を遂行できるのか?
部下を惑わせない指導法
どうやって指示をすればいいのか?
いかに社員を辞めさせないか?
これからの時代部下への指導方法がスポットを浴びてきます。
会社員が退職する一番の理由は、今も昔も対人関係です。
上司が嫌だから、社長が嫌だから、客が嫌だからという理由で社員は会社を辞めてしまいます。
中には、長く勤めてくれた貴重な人材だったのに、上司との人間関係の歪みを抱えて辞めていってしまうのです。
なぜ上司と部下の間に歪ができるのか?
多くの理由が考えられますが、最も部下を悩ませる言葉はあいまいな指示なのです。
このあいまいな指示を多くしてしまう上司だと部下はとてもやりずらいのです。
具体的な例を挙げてみましょう。
休憩時間に上司が部下に飲み物を買ってくるように指示したとします。
上司は千円札を部下に手渡し「5人いるから5本適当に飲み物買ってきてくれ。」
部下「わかりました。何系とか希望ありますか?」
上司「なんでもいいよ。オレは無糖のコーヒーね。」
そして部下は買い物に行く。
買い出し先の自動販売機に着くと、無糖のコーヒーが売り切れていた。
その時部下はどうするか?
無糖じゃないコーヒーにしようかな?微糖なら大丈夫かな?
でも健康診断の結果とか気にしてたし、糖分含まれてないほうがいいのかな?
それとも無糖のコーヒーが売っている自動販売機まで行った方がいいのかな?
周りに自動販売機見当たらないけど近くにあるのだろうか?探したほうがいいのだろうか?
悩みに悩んで部下は微糖のコーヒーを買ってきたとします。
そのチョイスに対して・・・
上司「おいおい!無糖って言ったじゃん。糖分制限されてるの知ってるだろ?」
部下「すみません無糖売り切れてて・・・」
上司「それなら他の自動販売機探せよ!てかなければお茶とかの選択肢もあっただろ!」
と返されてしまうと部下は非常に困惑するのです。
悩んで考えて買ってきたのに、そもそもなんでもいいって言ったじゃねーか!
糖分制限なんて知らねーよ!
というストレスがたまり続け退職へとつながるケースが非常に多いのです。
だからこそ部下に指示をする時には、極力あいまいな指示をしないことが非常に重要です。
言ってはいけない言葉
今までは平気で使われていたこんな言葉は、これから先部下に投げかけてはいけないキーワードとなります。
- 仕事は背中をみて覚えろ
- 空気を読め
- 行間を読め
- 仕事は盗むものだ
- ググレカス
これらの言葉はすべて、マネジメントを放棄した丸投げのキーワードなのです。
前述の例を取ってみれば、このような指示をすれば部下は迷うことなく業務を遂行できたのです。
「オレ以外の4人は好みはわからないからお茶か水でいいと思う。
オレには無糖のコーヒーを買って来て貰えるかな!
なければみんなと同じお茶とか水とかでいいよ。」
ここまで細かく指示しないとわからないの?
それじゃ言われたことしかできない人間になっちゃうじゃん。
と思われるかもしれませんが、自分の部下や同僚を冷静に分析してみてください。
まず、適当な指示でも上司の要望以上の結果を出してくる人もいます。
よく1を言っただけなのに10理解してくれる、というような表現をしますが、とにかく気が利いて痒い所に手が届く人材。
そんな人材あなたの周りにどれほどいますか?
10人社員がいたら1人いれば十分、2人いたら奇跡です。
それどころか10人規模の会社でそんな人材がいることの方が珍しい。
ということは、10人のうち9人、下手したら10人中10人はそんなに気の回る人じゃありません。
なぜ気が回る社員は少ないのか?
それほど気が回る人材は、自分で事業を始めたり独立したりして成功しているからです。
1を言って10を理解できる人ってそもそも天才だと思いませんか?
だからこそそんな部下は初めからいないと思って接するべき。
だからこそ指示は明確にしてあげるべきなのです。
そもそも言われたことしかできない人間、ってそれで十分じゃないでしょうか?
言われたことすらできない人間ばかりだと会社はとても困りますが、指示にキッチリと従ってくれる人材がいれば会社って十分機能するものです。
まとめ
あいまいな指示は、信頼関係を悪化させしいては人間関係を悪化させます。
そして悪化した人間関係を立て直すことが出来ずに社員は会社を辞めてしまいます。
会社にとって人材は財産です。
細かい意思疎通の歪みの積み重ねで、貴重な人材を失わないように、コミュニケーションには細かい注意を払うことがとても大事なのです。