20連休は可能なのか?
有給休暇を使い切る
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有給休暇はご存知のように約6年半勤めると20日間付与されるようになり、その後毎年20日間の有給休暇が付与されます。
これは労働基準法に定められた最低限の休暇ですので、もしかしたらこれよりも多い有給休暇を付与している会社もあるでしょう。
有給休暇の詳細はこちらをご覧ください。
で、この有給休暇ですが付与されたタイミングで一気に使い切ってもイイものなのでしょうか?
前述の弁護士さんからの回答にもありますが、これは使い切って何ら問題はありません。
有給休暇は、労働者に与えられた権利ですのでどこで行使しようが問題はないのです。
ですので、1年間の間にまんべんなく20日間を使い切ろうが、一気に連休で使い切ろうが労働者の自由です。
ただ有給休暇には時季変更権という、経営者側が有給休暇の取得時期を変更する権利を有しています。
ですが、「事業の正常な運営を妨げる場合」でないと行使できません。
そしてこの「事業の正常な運営を妨げる場合」というのが非常にハードルが高い。
一般的に有給休暇を20日間取得できる人となると、6年以上会社に勤めている人なので20日間も連続して休まれたら困る立場にいるはずです。
そんな人が20連休取るというのに、「事業の正常な運営を妨げる場合」でないと時季変更権は行使できないのです。
この正常な運営を妨げる場合という判断が非常に難しいため、経営者側は時季変更権を行使できず20連休を許可せざるを得ないのです。
連休を取得しやすい風土
今は働き方改革も叫ばれ労働時間の短縮、残業時間の抑制、有給休暇取得の推奨が推進されています。
以前まで日本の企業では、有給休暇を取得するのが気が引けるという傾向にあり、有給休暇の取得率がなかなか上がりませんでした。
ですが、大企業を中心として有給休暇の取得を推進するように変わってきてます。
筆者も有給休暇はドンドン取得できるようにすべきという考えもあるのですが、実際に相談を受けている中小企業の様子をみるとなかなかその方向だけに傾ける訳にはいきません。
大企業の場合、正直一人いなくても代わりの人間はいくらでもいる。
もちろんプロジェクト単位で動いていたりすれば、なかなか代替要員を手配するのは困難ですが、最悪の場合他の人員をアサインするくらいのバッファは持っています。
ところが中小企業の場合は、一人の社員が複数のタスクを同時にこなしています。
社長さんだってふんぞり返っている訳にはいかず、自ら最前線で活動しながら事務及び経理作業も実施していたりします。
一人いなくなるだけで本当に会社が回らないこともあるのです。
そんな企業の場合は、残念ながら大連休を取得させよう!という動きをもろ手を挙げて容認するわけにはいきません。
有給休暇を考えるときには、大企業と中小企業と切り離して考える必要があるでしょう。
有給休暇を連続取得するのなら
有給休暇はもちろん労働者に与えられた当然の権利です。
ですが、会社と揉めてまで強引に取得してもイイという制度ではないと私は考えます。
例えばご自身が勤務されている会社は、年末の12月が最大の繁忙期。
ここは全員が休みを削ってでも社内のリソースを集中して売り上げを確保したい時期だとします。
そんな時期に有給休暇で20連休取得します!と言われたら会社としてはどうでしょうか?
いくらなんでも今の時期はズラしてくれ。
他の時期であればいくらでも休んでイイから。
となるのが当然の流れです。
時季変更権のような法律用語を出さなくてもいいように、労使双方が納得するような形で休暇を取得するのが一番大事なのではないでしょうか。
計画的付与
有給休暇を一気に取得させたくないのであれば、計画的付与を有効活用するのが法律的にはベストな選択肢です。
計画的付与の詳細はこちらをご覧ください。
計画的付与で指定できる日数は、5日を超える部分。
つまりは20日間有給休暇が付与されても15日間は会社に指定された時期に取得されても文句は言えません。
ですが、さすがにそこまでやると労働者側の不満は大きく募ります。
ですので計画的付与で指定する日数は、最大でも5日程度に抑えておくことを推奨します。
まとめ
20連休を取得することは法律的にはなんら問題ありませんし、経営者側も認めなければなりません。
もっと気楽に取得できるような風土をという思いもありますが、そう簡単にはいかない部分もあるのです。
だからこそ、お互いが尊重しあいながら落としどころを模索する。
最も適切な落とし場所に落とす。
これが社会人としてのマナーなのではないでしょうか?
強引に取得する!
強引に拒否する!
というお互いが歩み寄らない行為は何も産み出すことはありません。