https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180412-00010001-nikkeisty-bus_all
サラリーマンの方が気楽だった。
これまで多くの社長さんとお会いしてきましたが、皆さん判で押したようにこの言葉を発します。
なんであの時起業してしまったんだろ、と半ば後悔している社長さんも多く見かけます。
実は社長ってサラリーマンが思うほど楽な立場じゃないんです。
社長の苦悩
サラリーマン目線
サラリーマンから見れば社長ってほんとお気楽に見えるかもしれません。
収入はいいし、高級マンションに住んでいて、ちょっと高級な車にも乗っている。
平日は接待という名のゴルフ遊びをし、夜は経費で飲み歩く。
ちょっと遠い場所でお酒を飲んでいても平気でタクシーに乗れる。
社長って羨ましい!
あんな生活をしてみたいと誰もが思うかもしれません。
ですが、それはあくまでもサラリーマン目線から見た社長。
実際経営者側の目線から見ると社長なんてほんと報われない仕事なんです。
社長の苦しみ
中小企業にとって何よりも大変なのが資金繰りです。
頑張って営業してもなかなか売り上げが伸びない。
売り上げは伸びているんだけど、それに伴って利益が出ない。
でも出ていくものは毎月出ていく。
社員の給料、事務所の経費、材料費、外注人件費、税金。
毎月、毎年これでもか!とばかりにお金は飛んでいく。
資金繰りが苦しい月は銀行から融資を受けたいが、銀行は社長が求めるタイミングで求める金利でお金を調達してくれる訳ではない。今月現金が足りなくなる。
となれば、社長さんの役員報酬の振り込みを遅らせるしかない。
もしくは個人の資金から会社に融資するなんてことも出てくる。
そこまでしてでも会社をつぶすわけにはいかない。
なぜなら会社が倒産してしまえば取引先に迷惑がかかる、従業員の生活が困窮する、自身は会社の借金の連帯保証人になっているため自己破産となる。
こんな重圧を背負いながら日々経営をしていかなければならないのです。
さらに社長を苦しめるのが人です。
まず今のご時世とにかく人がいない。
仕事は取れるのに人を手配できないから大きなチャンスを失ってしまう。
もしくは高い外注先に仕事を出さなければいけなくなるため利益が減少してしまう。
特に中小企業には人が集まりにくい時代ですので、人材難にどこも苦しんでいます。
そしてせっかくこんなに頑張っているのに社長の気持ちを理解できない社員たちの苦悩です。
社長は会社のために必死に動いている。
だけど社員は自分の権利や利益ばかりを要求してくる。
大した売り上げを上げない社員に限って給与が低いだとか言い出す。
大事なところの決断だけさせて自分は責任逃れしようと逃げる社員。
そんな社員を咤激励すれば、パワハラだブラック企業だと騒ぎだす。
もう社長さんなんて気苦労の塊。
ブラック企業よりも悲惨な仕事なんです。
まとめ
多くの社長さんを見ていると起業するって本当に大変なんだと気づかされます。
サラリーマンなら社会保険料は会社が折半してくれるし、病気をしても有給休暇があるし、傷病手当金や労災という制度がある。
会社が倒産しても雇用保険があるからすぐには収入には困らない。
どんなに大きな失敗をしても最終的に責任を取るのは会社だし、最悪の事態を引き起こしても解雇される可能性はほとんどない。
サラリーマンの方が圧倒的に気楽です。
ですが、社長という仕事は本当にやりがいのある仕事でもあるのです。
社長は大変、サラリーマンに戻りたい!と言いながらも社長の楽しさもありますし、一度社長をやった人はなかなか普通のサラリーマンには戻れません。
社長っていいこともあれば悪いこともある。
なのでいいとこだけを見ていたら社長になった後絶対に苦労します。
社長ってこんなに大変、こんなに苦しい、だけどやりがいのある仕事。
最初からこう考えておくと起業後の苦しみも軽減されるかもしれません。