会社勤めからフリーランスになったら、今までの健康保険から保険を切り替えなければいけません。
通常は、どこにも所属しないフリーランスの場合は、市区町村が運営する国民健康保険に加入するのですが、会社を辞めてから2年間は元の会社の健康保険に継続して加入できるのです。
それが任意継続被保険者という制度。
こちらでフリーランスの保険に関してはご紹介しています。
とてもお得な制度なんですが、面倒くさいから手続きしなかった!という声を多数聞きますので、手続きの仕方を改めてご紹介します。
任意継続被保険者の手続き
任意継続被保険者って?
まずはもう一度おさらいをしておきましょう。
任意継続被保険者(以降 任継)は、会社を退職後も継続して従前の保険に加入することができる制度です。
会社が健康保険組合に加入しているのであれば健康保険組合。
一般的な協会けんぽであれば、協会けんぽ。
継続して加入できる期間は、退職後から2年間。
継続できる要件としては、ザックリいうと退職前に2か月間継続して保険に加入してた人。
つまりは、2か月以上会社に勤めていた人なので、大抵の人は要件を満たしますのでご安心ください。
手続きは、退職後から20日以内にする必要があります。
手続きの方法
今回は一般的な協会けんぽに手続きするケースです。
まずはこちらから「健康保険 任意継続被保険者 資格取得申出書」をダウンロードしてください。
あっ!その前に重大な注意点。
ダウンロードした用紙を記載するためには、健康保険証が必要になります。
無くても書けないことはないんですが、いろいろと問い合わせる必要があるので面倒です。
会社を退職する時は、会社に健康保険証を返却する必要がありますので、こちらの用紙を記載するのは退職前、もしくは退職後に記載しようと思っているのなら健康保険証の写メを取っておくといいでしょう。
それではこの用紙の記入方法を解説します。
申出者情報の部分ですが、氏名や住所は問題ないでしょう。
一番上の「勤務していた時に使用していた被保険者証の発行都道府県」で「~~支部」となっています。
これは健康保険証の下から2行目、「保険者名称 全国健康保険協会 〇〇支部」の部分に記載されてますのでこちらを記入。
続いて「勤務していた時に使用していた被保険者証の(左づめ)記号 番号」の部分ですが、こちらは健康保険証の本人の下あたりに記載されています。
こちらを左づめで書けばOKです。
続いて「勤務していた事業所の名称と所在地」
これは会社名と会社の住所を記載すればよいです。
資格喪失年月日は(退職日の翌日)となってますので、そのまま書けばいいです。
ただ退職日を月末から1日ずらすと社会保険料が得になるというメリットがあり、会社側でこっそり1日ずらしている場合もあります。
その点は後々モメる可能性もありますので、事前に会社には退職日は確定させておきましょう。
次に保険料の納付方法ですが、こちらは口座振替をしないのであれば、2の毎月納付を選んでおけばいいかと。
ですが、任継は保険料を滞納すると資格を喪失してしまいますので、その点は十分注意してください。
次に健康保険 被扶養者届【資格取得時】の部分です。
扶養家族がいる場合はこちらに記載する必要があります。
こちらも普通に扶養家族の名前と生年月日続柄などを記載するだけ。
ただプラスしてマイナンバーの記載が必要になります。
最後に被保険者のマイナンバー記載欄ですが、こちらは被保険者証の記号番号を記入した場合不要と記載されてますので、不要で問題ありません。
扶養に関する申立書は?
ホームページを見ると「扶養に関する申立書」みたいな記載があります。
これって必要かどうか?
まぁその下にこの記載があるので早い話が不要です。
①被扶養者の要件を満たすことを確認するために必要な添付書類を提出できない場合
②認定を受けようとする方の個人番号(マイナンバー)を記入できない場合
奥様(被扶養者)の課税証明書を役所で取ってきてそれを同封すればいいのです。
記載する書類ってコレだけ。
あとは届け出するだけです。
どうですか?全然面倒くさくないでしょう。
届け出の方法
任継の届け出は郵送で問題ありません。
郵送で問題ないというよりも、協会けんぽから窓口が込み合うので郵送でお願いしますと通達が出ていますので、郵送で手続きすることをお勧めします。
ですが、もし自分で届け出したいというのなら、お近くの協会けんぽの支部に直接書類を持っていきましょう。
東京の場合は中野に支部があります。
駅を出て中野サンプラザ方面の出口に出て、もう少し左に行ったところです。
こちらのビルの7階です。
7階に行くとこんな看板がありますのですぐわかります。
こちらで整理券を受け取ってしばらく待ってると呼び出されますので、後はブースで資格取得申出書と扶養家族の課税証明書を出せば終わりです。
混んでなければ30分もかかりません。
保険証が届くのは?
健康保険証が手元に届くまでは2週間程度かかります。
データを移行して保険証を発行し発送という流れからすれば仕方がないところ。
かかりつけの病気がある場合は、保険証があるうちに医者にかかっておくといいでしょう。
緊急の場合は、自費で精算し後日請求という形も取れますので不安に感じる必要はありません。
保険料の差
国民健康保険の概算を計算したところコレくらいでした。
世帯の内訳としては40歳の旦那さん年収600万円、35歳の奥さま専業主婦(パート収入50万円)、小学生のお子様一人の家庭です。
月額にすると65,890円になります(あくまでも概算です)。
これが任継だと最大でこの金額です。
年収600万円くらいの方であれば、サラリーマン時代に引かれていた健康保険料は25,000円程度でしょう。
それよりもちょっと高いくらいになりますが、国民健康保険に比べれば断然お得です。。
これは大きな差ですね。
まとめ
面倒くさいからといって任継の手続きをしないのはホントにもったいないです。
もし本当に面倒というのなら、手数料を払って社会保険労務士にお願いしてもそれでもお得です(ステマではありません)。
面倒くさいといって手続きをしないことで損をする行為は、フリーランスとしては絶対にやってはいけません。
フリーというのは、人がやらないような面倒なことをしてお金を稼げる人。
ですので、面倒くさいことを積極的にやる。
まずはその行動の第一歩と考え任継の手続きをしてみて下さい。