試用期間中の解雇
試用期間
まず試用期間というのは何か?
その名の通り、お試し期間。
正社員として採用するための期間と考えられています。
この使用期間という期間は、労働基準法に定められている訳ではなく、多くの企業では就業規則で定められている期間となります。
一般的には3~6か月くらいの期間を試用期間とすることが多く、長い会社だと1年間試用期間とする会社もあるようです。
試用期間は延長できるか?
6か月様子を見てみたけど、もう少し見てみたい。
だから試用期間を延ばしたいなぁ、となったとき自由にどこまでも延ばせるか?となるとこれは明確な基準はありません。
ですので延長することは可能です。
ですが、雇用された側からすればズルズルといつまでも試用期間を延ばされては生活が安定しません。
そのため仮に延長するにしても1年以内にすべきです。
1年以上の使用期間の定めは無効という判例もありますので、ギリギリの範囲が1年と考えて下さい。
ただ延長するにしても「試用期間中の勤務状況により試用期間を延長する場合がある」という一文は就業規則に定めておくべきです。
労働契約の際に試用期間は6か月と聞いていたのに話が違うと後々揉めるキッカケにもなりますので。
試用期間中の解雇は?
それでは試用期間中の解雇ですが、これは前述したとおり自由にできるものではありません。
試用期間とはいえ、労働契約は成立していますので、解雇する場合は通常の労働者と同じ扱いとなるのです。
つまりは、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められなければ解雇は出来ないのです。
一般の社員を解雇するのと同じになるという事です。
試用期間はお試しキャンペーン中なんだから自由にしていいでしょ?と考えているとしたらその考えは改めて下さい。
試用期間とはいえ、雇い入れた以上通常の社員と扱いは同じです。
ですが、雇い入れてから14日以内であれば、解雇予告等なくても解雇することは可能です。
さすがに入社して14日で判断するケースはほとんどないとは思いますが。。。
試用期間中は賞与の支払いは不要か?
賞与に関しては、試用期間中の期間は対象から外すのが一般的です。
例えば7月と12月に賞与を支給している会社に1月に入社した社員がいた場合、7月の賞与は対象外。
12月の賞与から満額もしくは社の規定に基づいて支払うというケースが多いでしょう。
ただこちらも注意が必要で、労働契約時に試用期間中は賞与の対象に含まないという説明は必ずしておくことが大事です。
また賞与ではなく、年俸を16分割し、2か月分を夏と冬の賞与で支払うという場合は、支払いが必要なケースも出てきますのでこちらも注意が必要です。
まとめ
試用期間中とは言っても雇い入れた以上、ほぼ一般の社員と変わらない扱いになることはあまり知られていないかもしれません。
試用期間中だからと言って簡単に解雇されてしまったら、労働者の生活は安定しませんので、内定を出した以上はある程度責任を持たなければいけません。
だからと言って、労働者側も試用期間中なんだからキッチリと経営者に「自分を雇ってよかった」と思わせるようなパフォーマンスを見せる努力はしなければいけません。
試用期間中はその名の通りお試し中なんですから、その期間に使えないというレッテルを貼られてしまうと、その後評価を上げるのは相当困難になりますので、入社から1年間は死に物狂いで頑張る時期なのです。