社労士が教える退職マニュアル!転職する時の正しい会社の辞め方

会社に入社すれば当然辞めるときが訪れる。

今回は今の会社を退職して他の会社に転職するケースで失敗しないための方法をお伝えします

転職という新しい門出を迎えるにあたり、お世話になった会社へのせめてもの恩返しが正しく会社を辞めることです。

これから転職、退職をお考えの方はぜひ参考にしてみて下さい。

正しい会社の辞め方

大前提

転職するために会社を辞めるのであれば、この大前提だけは押さえておきましょう。

絶対に円満に会社を辞めることです

上司がどうしてもイヤだったとか、収入があまりにも酷かった、待遇がひどくブラック企業だった。

という理由はあるにせよ、モメて辞めてはいけません。

少なからず在籍していた会社にはお世話になっていた部分があるはずです。

生活を支えてくれたのは会社があったから。

その思いを忘れて退職時にモメてしまうと後々面倒な事態が待っています。

後述しますが、退職日を伸ばされたり、退職辞退を拒否されたり、損害賠償を請求されたり。

ですので、くれぐれも円満に退職する

これだけは絶対に心掛けて下さい。

退職までの時期

会社を辞めるまでの時期ですが、まずは就業規則を確認してください

通常の会社でしたら、退職の意思は退職日から1か月前に通達しなければならない等の規定があるはずです。

就業規則で定められた期間は、極力守ることを推奨します。

3か月と記載されているのであれば3か月。

さすがに6か月となると長すぎますのでその規則には従えませんが、就業規則に定められている期間は順守することが円満退職のキモです

労働契約は、労働基準法に定められている訳ではなく、民法の規定により契約が有効とされています。

このことから法律だけを見てみれば、退職日の2週間まえに宣言すれば会社を辞めることは問題ないのです

ですが、冷静に考えてみて下さい。

よほど人員が余剰に配置されていなければ、2週間で業務を引き継ぐなんてことは到底できません。

2週間後にいきなりいなくなると言われても、会社としてはその後釜を用意することが出来ないのです。

ですので、退職の時期は極力就業規則に合わせる努力をすべきです

仮に就業規則で3か月前までに宣言することとなっていて、転職先からどうしても来月から来てほしいと強く誘われたのであれば、会社の規則で決まっているのでまずは転職先にもう少し先に出来ないか?

と要望を出してみましょう。

本当にあなたを必要としてくれているのであれば、数か月程度は待ってもらえるはずです。

どうしてもその時期でなければならない。

ここを逃すと希望の転職先から内定を取り消されてしまう。

という切羽詰まった状況になってから、初めて会社に退職時期の前倒しを要望する。

流れとしてはこの順番の方がスムーズです。

退職を伝える方法

退職を伝える方法ですが、原則としては直属の上司に口頭で伝えます。

ですがいきなり口頭で伝えるよりも、メールで頭出しをしておくといいかもしれません。

上司からすれば、いきなり話があるんです!と言われれば身構えて感情的になることもあるでしょう。

その点、予めメールで頭出しをしておけば、上司もなんとなく退職の話だなぁと気が付くはず

ですので、メール等で頭出しをしておいてから、退職の意向をやんわりと伝える方がいいようです。

正しい退職届の書き方

退職届の書き方はそれほどこだわる必要はありません。

まずは退職の希望を伝える訳ですから「退職願」を会社に提出します。

退職願の書き方はインターネットに転がっているこんな感じで全く問題ありません。

退職願は、その名の通り退職の意思を伝える文書ですので、これを書かなければいけないという規定はありませんので。

退職願や退職届はメールでいいの?

という問い合わせを受けることがありますが、さすがに退職願は文書で提出した方がいいでしょう。

会社としては正式な意思表示を保存しておきたいので、電子よりも文書がいいかもしれません。

どうしても会社の人に会いたくないというのであれば郵送でも問題ありません。

退職願

私儀

このたび、一身上の都合により、

20XX年XX月XX日をもって退職いたしたく、

ここにお願い申し上げます。

20XX年XX月XX日

部署名

氏名 印

株式会社XXXXXX

代表取締役社長 XXXX殿

退職時に退職届の提出を求められた再度届出書を正式に提出します。

こちらは会社指定のフォーマットのケースもありますし、自身で作成したフリーフォーマットのケースもあります。

こちらは会社の指示に従ってください。

退職交渉の注意点

いよいよ退職の意思を告げる時ですが、この時いくつか注意したい項目があります。

退職の時期を明確にすること

退職の時期はキッチリと会社に伝えましょう。

半年後くらいとか春ごろとかあいまいな伝え方はいけません。

会社にも人員計画があり、あなたが辞めた後釜を募集しなければいけませんので費用もかかります。

明確に〇月末で退職します!と宣言してください

転職先が決まってないにしてもズルズル引き延ばすような行為はやめておきましょう。

退職の意思を明確にすること

退職の意思は固いこともキッチリ伝えるべきです

もう少しいてくれないか?

気味の力が必要なんだ。

という泣き落としに負けてしまうとせっかく退職を決めたのに心が揺らいでしまうものです。

なぜ辞めると決めたのか?

相当強い意志を持って退職交渉のテーブルについたはずです。

一度退職すると決めたのであれば、ゆるぎない決断を確実に伝えましょう。

金銭交渉に負けない

ごくたまに辞めると宣言した社員をお金で釣ろうというケースがあるそうです。

ボーナスを上げたやるから、給与を上げてやるから、昇進させてやるから。

などとお金の不満を取り消そうとするケースです。

お金で釣られて残った場合、絶対に後悔すると思った方がいいでしょう

確かに一時的に収入は上がるかもしれませんが、お金あげてやっただろ!と会社側は常に貸しを作った形になってしまいます。

理不尽な要望も多くなるかもしれませんし、無茶な業務を振られる可能性も否定できません。

さらに一度辞める!と宣言した社員の評価はその後上がることは難しくなります。

いつ辞めると言い出すかわからない社員は、どうしても高評価を得ることは出来ないのです。

ですので、お金で釣られてせっかくの意思を曲げてしまっては本末転倒。

辞めると決めたのならそんな弱い意志は捨ててしまいましょう。

退職時期の延長を要望されたら?

もう少し退職時期を延ばしてほしいと要望されたとしても、自分が決めている時期で辞められるよう強く伝えましょう。

就業規則で決められた範囲であれば、会社側に時期を延長する権利はありません。

一度時期の延長を許可してしまうと、またさらに延長というようにズルズル伸ばされてしまう可能性もあります。

さらに転職先が決まっている場合、入社時期を遅らせることになってしまいます。

入社時期を遅らせることは転職先の評価を下げる事にもつながります

退職時期を就業規則で決められた期間で決めたのであれば、絶対に延長しない!という強い心構えで退職交渉に臨むべきです。

退職先を伝えない

退職交渉時に既に転職先が決まっている場合でも転職先の情報は伝えないことが大事です

在職中に既に移籍先が決まっていることを良く思う会社というのは存在しません。

もし転職先が取引先の会社だったり、同業種の会社だとしたらさらに心象は悪くなります。

最悪の場合、会社同士が揉めることになり転職自体が白紙になることすら考えられます。

転職先を会社に伝える義務はありませんので、移籍先の情報は伝えないようにしておきましょう。

これは会社の上司だけでなく同僚などにも伝えないように注意してください。

送別会の席などでポロッと口走ってしまうと後々痛い目に合うかもしれません。

Facebook等に転職先情報を書くのもとても危険です。

転職してほとぼりが冷めるまでは、同僚には伝わらないように十分注意してください。

引継ぎはしっかりとする

退職を決めたのであれば、引継ぎだけはキッチリとしてから会社を辞めましょう

会社側は引継ぎだけしっかりとやってくれれば退職は認めざるを得ないのです。

しっかりと後継者を育てる・・のは無理にしても、あなたが辞めた次の日から業務が回らないというは大変困ります。

最低限あなたが辞めても支障が出ないように、引継ぎには全力を投入してください。

最悪、辞めた後も質問があれば電話してね。

くらいの大きな心を持つことも大事です。

もちろん仕事辞めた後まで責任を取る必要はありませんが、その姿勢をみせておけば会社も納得するはずですので。

有給休暇はすべて消化していい?

有給休暇完全マニュアル!上限は40日?買取は不可?全ての疑問解決

会社に6年以上勤めている人はおそらくMAXの有給休暇が発生しているはずです。

中には30とか40とか溜まっている人もいるかもしれません。

こちらは諸説いろいろありますが、いろんな会社を見てきた立場からすると、すべて消化しようと考えないことを推奨しています

引継ぎがすべて完了しているのであればまだいいのですが、たいてい全部消化させてくれ!と主張する人は、引継ぎもそこそこに辞めようとする人です。

有給休暇が残っているにしても引継ぎ期間を考慮して取得することが大事です。

引継ぎをしっかししておけば、取得しきれない分の有給休暇を会社側が買い取ってくれる可能性もあります。

当然の権利なんだから全部使わせろ!と権利ばかり主張すると、これまで円満に進めてきた退職交渉が台無しになってしまいます。

業務の状況を見ながら取れる範囲の有給休暇を取得する。

これくらいが会社側も辞める側も納得できる範囲なんじゃないでしょうか?

まとめ

会社を辞めることは大きな労力を使う行為です。

もちろん辞める側も辞められる側もいろいろ大変なんです。

ですので、絶対にモメない。

円満に退職する事こそ辞める側の最大の誠意です

会社を辞めて独立される方はこちらの記事をご覧ください。

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