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管理職になりたくない
人事権
まず管理職になりたくないという社員の意見は通るのでしょうか?
これは残念ながら一般的には通りません。
ある程度の年齢を重ねて、ある程度の経験を積んだ場合、会社はある程度の職責を与え、現場仕事だけでなく管理側の仕事もやってもらわないと困りますよね。
例えば、あるチェーン店の店長待遇の人がいます。
その店長は、店先に出て接客をしてレジを打つ、料理を運んでお店の掃除もして、時には皿洗いまでする。
だけどお金の管理はしたくない。
バイトのシフトの管理とかもしたくない。
仕入れや在庫の管理もしたくない。
だって店長とかやりたくないし。
という態度では、チェーン店の本部としては困るわけです。
あなたは十分経験値も積んで年齢も重ねているのだから、店長としての仕事をしてもらわないと。
人事権というのは会社に存在します。
昇進の辞令は、会社からの命令ですので、これに従わないことは業務命令違反にあたり懲罰の可能性も否定できません。
もちろんいきなり辞令ではなく、打診があってからという形が一般的ですので、その打診の際に断れば大きな問題にはなりません。
やりたくないと言っても、会社員である以上やれ!と言われたらやるしかないと言えるでしょう。
管理職になりたくない若者
近年は、管理職なんかになりたくないという若者が多いようです。
【管理職になりたくない理由】
- 残業代がなくなり給料が下がる
- 責任が重くなる
- 管理より現場仕事がいい
- 中間管理職はストレスが溜まる
今の若い世代は、日本の高度経済成長期を知らない世代です。
バブル崩壊後、日本経済が縮小してきた中の世代ですので、小さな幸せで十分という価値観が身についているのかもしれません。
若いころに車を買って、ディスコに行って、スキーに出かけなどという派手な遊びを経験せず生きてきて、スマホ一つあれば幸せ。
ですので欲がない、出世欲がないという見方もあるようですね。
ただそれはあくまでも今の世代に対する偏見なのかもしれません。
それより何よりも若者が管理職をやりたくない理由は、管理職に魅力を感じられないからでしょう。
上と下の間に立って何の得もないポジションになりたい理由が見つからない。
若者が管理職を希望しない理由の本質はここなのかもしれません。
管理職になりたくない会社
会社の若い世代がどうしても管理職になりたくない!と本気で思っているのならば、御社の管理職がそれほど魅力がない!ということになるでしょう。
管理職に輝きが感じられないのです。
管理職を人前で怒鳴りつけたりしてませんか?
管理職だからと言って無理強いしてはいませんか?
管理職だからと言ってすべての残業手当が未支給ではありませんか?
会社の管理職は、むしろ会社にとって花形であり、あこがれの存在でなければいけません。
管理職が元気な会社は芯の強いしっかりとした会社です。
会社の若者がどうしても管理職になりたくない!と思っているのであれば、管理職の方々ともう少し対話を増やし、改善を心がける必要があるかもしれません。
やりたい奴を上げればいい
管理職はやりたい奴を上げればいい!という考え方もあるようですが、私は半信半疑だと思います。
もちろん、ガンガン出世したい!人の頭に立ちたい!という人は、業績や経験次第で出世させてあげるべきです。
そうしないとその手のタイプは腐ってしまいます。
ですが、あまり管理職になりたくない!という人でも、働きぶりが評価され、徐々に管理職としての意識が高まり、優秀な管理者になるというケースも少なくありません。
逆もしかりで、出世したいと言っておきながら、重圧に負けて失敗してしまう人もいます。
管理職にも様々なタイプがいます。
グイグイと人を引っ張っていくタイプもいれば、コツコツと仕事を続け仕事で部下を説得するタイプもいる。
ですので、管理職ってやらせてみないと分からない。
化ける人もいれば、負ける人もいる。
あまり最初から決めつけてはいけないのではないでしょうか?
管理職制度よりも職位制度
管理職ではなく、経験に応じて職位制度を採用する会社も増えています。
〇〇マネージャーという立場ではなく、上級職、基幹職というような名称を付けて、部下を管理しなくても仕事上の立場は持たせるという形です。
技術力と経験値はバリバリなんだけど、どうしても人をまとめるのが苦手。
だけどベース給与は引き上げてあげたいという場合は、この職位制度を自社の給与システムに反映するといいかもしれません。
管理職になりたくない人を評価する会社
大手のとあるIT企業では、管理職になりたくない人も評価する制度を設けているそうです。
通常給料を上げるには、出世して責任のある役職に就くのが一般的です。
ですが、出世するのは苦手だけど、業績だけは上げてくるという社員がいることがあります。
そんな社員も、もちろん出世する社員と同等にするわけにはいかないけど、正当に評価するという制度です。
出世したいチームと出世したくないチームを分けて契約を変えることにより、社内の無駄な人間摩擦を避けることができるのがこの制度の狙いです。
同期のライバルとの争い、なんて図式を好まない人たちは数多く存在します。
人は人、我は我、そんなマイペースを支援する制度もこれからの社会では必要なのかもしれません。
まとめ
昇進したくない!という気持ちは理解できますが、会社から指示があった場合は従うべきです。
役職が自然とその人の立場を形成するということもあるのです。
最初は部長!と呼ばれた時、妙なくすぐったさはありますが、そのうちそんな呼ばれ方にも慣れ、自然と立ち振る舞いが変わってくるものです。
最初から拒否するのではなく、一度管理職を経験しようという前向きな気持ちを持ってみてはいかがでしょうか。