【永久保存版】個人事業主の年金マニュアル!フリーランス向けの年金

個人事業主になるとサラリーマン時代とは年金の仕組みが違ってきます。

フリーランスになったら自分の年金も自分で決めなければいけません。

そんな個人事業主向けの年金を詳しく解説していきます。

個人事業主の年金

脱サラしたら

まずサラリーマンを辞めると決断したら、年金を切り替える手続きをしなければいけません

専門的な言葉では種別変更届という手続きを自分でする必要があるんです。

この自分でという点に十分注意してください

会社に入る時は、年金の手続きは会社がやってくれますが、会社を辞めて独立する時は会社側は社会保険から抜ける手続きしかしてくれません

ですので、自分から種類が変わりました!という申請をしなければいけません

具体的にどうすればいいのか?

まずは必要な書類を用意します。

  • 印鑑
  • 本人の年金手帳
  • 配偶者がいる場合配偶者の年金手帳
  • 退職年月日を証明できるもの(離職票、雇用保険被保険者証、退職証明書等)

※年金手帳を紛失した場合基礎年金番号通知書

これらの書類を持ってお住まいの地域の区役所や市役所の年金課へ行きましょう。

くれぐれも注意が必要なのは奥様が専業主婦という方です。

奥様が専業主婦の場合、奥様は第三号被保険者となります。

これを第一号被保険者に変更する必要がありますので、奥様の分も種別を変更しなければいけません。

この点は十分注意してください。

年金の種類

個人事業主になったらサラリーマン時代の厚生年金ではなくなります。

国民年金

年金の種別変更届を出したら、あなたは国民年金のみの加入者となります。

専門的な言葉だと第二号被保険者から第一号被保険者に変更になるんです。

第一号被保険者

国民年金の基礎部分の加入者。

フリーランス、個人事業主が加入している。

第二号被保険者

サラリーマンや現在では公務員。

第三号被保険者

主にサラリーマンの奥様

サラリーマンは、厚生年金だけに加入しているというのではなく、国民年金に加入していてさらにその上に厚生年金が乗っかってくるというのが正解なんです。

なのでサラリーマンを辞めると乗っかっている部分がなくなり、国民年金だけになるということ。

国民年金の1月の保険料は、16,490円(平成29年度)

給与明細を見ていただけるとわかりますが、厚生年金だと月収40万円程度の方なら4万円近くになりますので、国民年金だけだと安く感じるかもしれません。

さらに半年払い、年払い、2年払いという支払い方法が用意されていて、その制度を利用すれば割引が行われます。

長期間フリーランスでやっていく方はぜひ有効利用してください。

気になる年金額ですが、加入期間フルフルMAXで加入していて年間77万9300円(平成29年度)となります

月額にすると約6万5千円程度となりますので、これじゃとても生活なんてできません。

そこで個人事業主の方は上乗せの年金を考慮する必要があります

国民年金基金

国民年金基金は、国民年金にプラスアルファ上乗せ部分として加入できる年金制度です。

サラリーマンが厚生年金なら、個人事業主は国民年金基金ということになります。

国民年金基金は、公的な上乗せ年金制度ですので、民間の保険だと不安だと感じる方はぜひ加入しておきましょう

加入資格は、第一号被保険者つまりフリーランスの人となっています。

サラリーマンの奥様は第三号被保険者となりますので加入することは出来ません。

国民年金基金には、老後にもらえる老齢年金だけでなく障害年金と遺族一時金もありますので、国民年金にプラスしてさらに補償を厚くすることが出来ます。

国民年金基金には終身年金と確定年金の2種類があり、これが制度をややこしく感じさせる原因なんですね。

ですが、それほど複雑ではありません。

まずは下記の表をご覧ください。

【終身年金】

期間 A型 B型
支給開始年齢 65歳 65歳
保証期間 65歳から15年間 保証期間なし
特徴 80歳までの死亡に一時金あり 保証はないが掛け金が安い

【確定年金】

種類 Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 Ⅳ型  Ⅴ型 
支給開始年齢 65歳 65歳  60歳 60歳 60歳
受給期間 65歳から15年間 65歳から10年間 60歳から15年間   60歳から10年間  60歳から5年間

国民年金基金は、1口、2口というように自分で加入したい金額を選んで加入することができるのが大きな特徴です

まずは終身年金の種類を選びます。

A型は保証期間付きの15年、B型は保証期間なし。

終身なのに保証期間って何?と感じる人は多いのではないでしょうか?

この保証期間というのは、その間に被保険者が亡くなった場合遺族に一時金が支払われる期間ということです。

つまりはA型とB型の違いは遺族一時金の保証期間があるかないか?

A型は保証期間がある分毎月の掛け金は若干高めになり、B型はその分掛け金は安く済みます。

生命保険等で遺族に対する保証は十分だ!という方はB型を選ぶという手もあります。

ですが、私の周りでは比較的A型に加入する方が多いように感じます。

この終身のA型とB型は一度加入すると変更できませんのでご注意ください

続いて確定年金は、その名の通りその期間だけかけた分受給できますよという制度。

この確定年金にはⅠからⅤまで用意されています。

この5種類にはいろいろと特徴がありますが、もう好みの世界かもしれません。

終身と確定型を組み合わせて加入することができ、最大口数68,000円までとなっています

付加年金

あまり知られていないのが付加年金です。

この年金も国民年金にプラスアルファできる年金制度です。

国民年金の第一号被保険者が本来の年金に加算される制度ですので、残念ながらサラリーマンの奥様は加算できません。

この付加年金実はかなりお得で美味しい制度です

毎月の掛け金は400円なんですが、受給する時はその半分200円を受け取ることが出来るのです。

計算式としてはこんな感じ。

付加年金 = 200円 × 付加保険料納付月数

仮に20歳から60歳まで40年間400円の付加保険料を納付したとします。

400円かける12か月で4,800円。

それを40年ですので192,000円です。

で、実際にもらえる付加年金はいくらかというと480月かける200円ですので96,000円。

これを65歳から終身受け取ることができるのです

2年ちょっと元が取れ、後はずっとプラスになり続ける素晴らしい制度なのです

ただ、この付加年金のネックは国民年金基金の加入者は加算できないというところです。

ですので、2階建て部分は国民年金基金ではなく民間の保険や確定拠出年金にすると判断された方は、絶対に付加年金を加算しておくことを強く推奨します。

これほど目に見えてお得な制度はそうはありません。

確定拠出年金

確定拠出年金に関してはこちらの記事をご覧ください。

ややこしい確定拠出年金を日本一(自称)わかりやすく解説してみた

確定拠出年金を有効活用してほしいのは、サラリーマンの奥様です。

サラリーマンの奥様は、第三号被保険者として優遇されていますが、その分他の制度にはほとんど加入できません。

そのため、確定拠出年金を利用して老後のプラスアルファ部分を増やしておくと将来生活は楽になります。

まとめ

個人事業主になったら自分の身は自分で、自分の将来は自分で守らなければいけません

年金なんてよくわからないではダメなんです。

難しいくて面倒くさいという方はお近くの社会保険労務士やファイナンシャルプランナーにご相談してみるといいでしょう。

今はいいかもしれませんが、誰でも確実に年は取る。

年をとってからどうしようと思ってもそこからじゃ間に合いませんので、早めに老後のプランは立てておきましょう。