国民年金の未納は社会問題です。
2017年の国民年金納付率は62%と言われていますが、そのうち納付を必要しない免除者を除くと納付率は40%を下回ると言われています。
この状況はなんとかしなければいけません。
目次
国民年金は払った方がいい?
強制徴収
厚生労働省はこれまでも悪質な国民年金未納者からは、強制徴収を実施してましたが、またさらに範囲を広げる意向のようです。
これまでは、年間所得300万円以上で未納月数13か月以上の人を対象にしてましたが、2018年度から7か月以上に拡大するとのことです。
これで半年以上国民年金を払っていない人は、容赦なく強制徴収されることになってきます。
強制徴収の流れ
強制徴収の流れはこのようになっています。
催告状
まず長期にわたって国民年金を納付していない人に速やかに支払って下さいねという通知がきます。
ここですんなり支払えば当然次へは進みません。
最終催告状
催告状を送付したのに納付しない人へは、最終催告が届きます。
ここで指定期限までに支払わないと滞納処分、つまりは財産を差押えしますよ!というちょっと怖い通知がきます。
これが平成29年は94,887件もあったそうです。
さらにここで支払わないと・・・
督促状
この督促状に書いてある期限までに支払わないと、延滞金という追徴金が加えられてしまいます。
この督促状を受けた人は54,830件。
さらにそれでも支払わないと財産の差押えが開始されます。
これは滞納者だけでなく連帯納付義務者までに及びます。
例えば子供が親と同居していてフリーで仕事しているけど国民年金払っていない。
督促受けても払わないという場合、世帯主、お父さんやお母さんの財産まで差押え処分の対象になってしまうのです。
この財産差押え処分まで受けた人は、6,155件だったそうです。
フリーなら国民年金は絶対払おう
平成29年度の国民年金保険料は16,490円です。
年払いにすると割引制度もついています。
年収が300万円以上ある方なら、決して払えない金額ではないはずです。
ですので、フリーランスの方は必ず国民年金は支払うべきです。
国民年金なんか将来どうせもらえないしと思っている方は大きな認識不足です。
確かに少子高齢化で、将来は若者1人で4人の老人を支えないといけない時代がくると言われています。
ですが、国で運営している国民年金が破綻することなどまず考えられません。
もちろん、年金の支給年齢は現行の65歳から引き上げられる可能性は十分あるでしょう。
それでも年金は支払っておくべきです。
その理由を以下に解説します。
終身受け取れる
年金は日本という国が破綻しない限り死ぬまで受け取れる終身保険のような役割を果たしています。
今は寿命も長くなり、60歳どころか70歳まで十分働いて収入を得ることができる世の中です。
とはいえ、80歳を過ぎてまで稼げる人なんてごくわずかでしょう。
なのに平均年齢は80歳を超えていますので、多くの人は80歳以上生きるのです。
そんな時たよりになる収入源は年金だけ。
80歳を超えて年金額が少ないと生活が困窮することは容易に想像できると思います。
障害年金
年金は老齢年金だけでなく一定以上の障害を抱えたときは、障害年金を受け取ることができます。
国民年金の場合、障害年金は1級と2級があり、2級でも年間80万円近い金額を受け取ることができるのです。
障害は目が見えなくなった、歩けなくなったというような外的障害だけでなく、精神疾患にも適用されていますので、重度の精神疾患で働けなくなった時のセーフティネットにもなっています。
遺族年金
国民年金の場合、子のある妻と子に対して遺族年金が支給されます。
自分に万が一のことがあったとき、幼い子の生活を守るためにも年金は利用されています。
このように年金をキチンと支払っておくことで、有事の場合の備えになるんです。
これを民間の保険で賄おうと思ったらとても月々16,490円の保険料じゃ足りません。
まとめ
国民年金の支払いは義務ですので個人事業主、フリーランスの方は損するからという理由で支払いを免れるものではありません。
ちょっと高いなぁと感じるかもしれませんが、それなりのメリットがありますので、必ず支払いは済ませてほしいです。
- 支払うのが面倒くさい
- 高いから払いたくない
- 将来もらえないから払わない
などと文句を言って払わないでいると、延滞金や差押え処分など悪いことしかありません。
さらに今後は強制力を高めてくることも予想されます。
年払いを利用して割引もできますので、国民年金だけは確実に納付しましょう。