当ブログでは常々難関資格に独学でのチャレンジをしないことを推奨しています。
なんで独学はダメなのか?
社労士って独学でも受かる試験って言ってるじゃん。
という話をもう一度真っ向から否定してみます。
独学は止めなさい
林修氏の提言
先日林修先生「林先生が驚く 初耳学」の番組の中でこんなお話がありました。
ある農家の子供がとても優秀だという情報を聞きつけ、大学教授がその農家の家を訪ねてみた。
大学教授は、いたくその子供の才能にほれ込み、是が非でも大学に行かせて学ばせるように!と農家の両親に提言した。
しかし、農家の両親は代々農業で暮らしてきたので、みんな大学なんて行っていない。
とうぜん子供にも農業を継がせるから大学なんて行かせる必要はないと、大学教授の推薦を突っぱねたらしい。
その後、子供は農業の手伝いのかたわら、必死に勉強を重ねて、ある日とんでもない発見をした。
その子供が見つけた発見は、ある公式を利用すれば、すべての方程式が解けるということを見つけたのだ。
子供はその発見に興奮し、再び訪れた大学教授にそのことを報告した。
だが、その子供が発見した公式は、一般の教育を受けていれば、誰でも最初に習う基本的な公式だったんだそうな。
大学教授は、教育を受けさせてあげることができなかったことを、大いに悔やんだらしい。
独学は遠回り
先の農家の子供のように、最初に基礎を教えてもらえば無駄な遠回りをすることはないのです。
独学だとどおしても無駄な遠回りが多くなってしまうのです。
社労士試験は、下記の10科目です。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
- 労働に関する一般常識
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
- 社会保険に関する一般常識
この中にも細かい法律が数多く含まれ、学習の後半戦ではそれぞれの法律が複雑に絡み合う試験です。
一つの法律、一つの条文を正しく理解できていないと、後々混乱してしまい、一本の糸がゴチャゴチャに絡んでほどけなくなってしまいます。
基礎知識がある人ほど危ない
普段総務の仕事をしている人とか、社労士事務所に勤務している人はベースができているから取り組みやすい?
と考えているかもしれませんが、その考えが最も危険です。
むしろ、4回、5回と落ちてしまい苦戦するのはそんな人たちに多く見られる傾向です。
総務での知識は、あくまでも社労士業務の一部分。
しかも総務部門の知識は、自分が所属している会社の業種に大きく依存してしまいます。
建築関連特有の労務、サービス業関連特有の労務など業種によって対応は様々。
自分が所属している業種以外の知識って、なかなかすんなりと頭に入ってこないものです。
さらに、社会保険労務士試験は、総務部門での知識だけでなく、最高裁判所の判例、会社員以外の年金や健康保険、労働紛争などの知識、社会保険の歴史など膨大な試験範囲から出題されるのです。
ですので、残念ながら実務の知識よりも、社労士試験用の対策をして試験に臨んだほうがよっぽど効率的な戦略になるのです。
4年以上かけない
社労士試験は、近年合格率一桁前半という難関資格の一つとなっています。
とはいえ、今のところ試験方式はすべてマークシート。
勉強方法と試験戦略を誤らなければ、1回目で合格も可能な試験なんです。
5年、10年という長いスパンで合格を目指すような試験ではありません。
できれば、3年以内でスパッと取得して、資格を活かして活動したい資格なんです。
だからこそ、独学なんて遠回りをしている暇はありません。
資格試験に関するプロフェッショナルにお金を払い、さっさと資格を取得して投資分を回収する、それが社労士試験なんです。
独学で合格した人を知らない
私も何人かの社労士とあって話をしていますが、全くの独学で合格したという人に会ったことがありません。
以前、社労士試験合格前によく拝見していたブログがあり、その方は完全独学だったようですが、直接交流はなかったのでどんな方かは知りません。
確かその方は資格マニアのような方で、社労士以外にも司法書士、行政書士など数多くの資格を有していたようです。
さらに有名大学卒の方だったので、いわゆる地頭がいい人なんでしょう。
もしあなたがそのブログの方のように地頭のよい人だったら独学でもいけるでしょう。
そうでないのであれば、はなから独学なんて止めておきましょう。
周りの社労士は、ほとんどが通学または通信で学習して資格を取得していますから。
まとめ
資格試験って孤独な戦いです。
お金もかかるし、家族に迷惑もかかる。
仕事にも影響が出るし、友人関係は断ち切らないと合格なんてできません。
そんな孤独な戦いを勝ち抜くには、適切なサポートが必要と考えてください。
一人で学習スケジュールを決め、参考書を選び、問題集を選び、模擬試験を選ぶ。
こんな苦痛を背負い込む必要なんてないんです。
餅は餅屋。
専門部分はお金を払ってプロにお願いし、自分はいちランナーに徹して、資格試験競争を勝ち抜くことだけ考えましょう。
独学でお金をケチるなんて、夢をさらに遠ざけるためでしかありません。