電通の過労死事件を受け、日本の大手企業はようやく残業代の削減に重い腰を上げ始めたようだ。
電通は午後10時に全館消灯しこれ以上残れないように本気で対応を始めた。
死者が出てからでは遅い。日本の各企業は労務管理に本気で向き合わなければならない時期に来ている。
残業を減らすには?
残業代が諸悪の根源
労働基準法では、法定労働時間を超えた労働をそもそも認めていない。
しかし労働基準法36条1項の規定、いわゆる36協定を締結することにより、法定労働時間を超えた労働、いわゆる残業が認められる事になる。
そして法定労働時間を超えた残業には、簡単に言えば通常の時間給の1.25倍の金額を支払う義務が生じる。
これが一般的な残業代。
この残業代があるから、残業出来てしまうのだ。
労働者も収入を上げるために一番手っ取り早いのは残業を増やして残業代を稼ぐ事。
ホワイトカラーの場合、仕事を薄く伸ばそうと思えばいくらだって伸ばすことが出来る。
本当に仕事が終わらない人達と、残業代狙いで意図的に仕事を伸ばしている人達が一緒になってしまうから、労務管理は難しくなってしまう。
なのでいっそ残業代で稼ぐではなく、残業しなければしないほど稼げる仕組みを作ればいい。
そして実際にそんな取り組みをしている企業がある。
残業しないと収入が増える
ソフトウェア開発会社大手のSCSKでは、残業代を削減したら賞与を増やす取り組みや健康診断の数値が改善すると賞与が増える取り組みをしているらしい。
これにより残業時間の大幅な削減に成功している。
そもそもソフトウェア開発業は、残業が当たり前の習慣があった業種。
朝は始業時間過ぎにノロノロと出勤し、帰りはいつも終電間際。時には宿泊してまでも仕事して、次の日は午後にダラダラと出社。
一見すると仕事時間は多いように見えるが、実質的な労働時間はそれほど多くないし、業務効率も極めて悪い。
それが残業時間を減らせばボーナスが増える!と決めた途端に、みんながみんなこぞって定時に家に帰るようになる。
つまりは、前述したようにほとんどの社員が仕事が多くて終わらない訳ではなく、仕事を薄く引き伸ばして残業代を稼いでいたということ。
残業時間を減らし、健康に留意する取り組みで収入も上がり、ワークライフバランスもどんどん正常化される。
こんな取り組みを日本の企業全体で取り入れていけば、無駄な残業はどんどん少なくなるし、社員の生活も豊かになり、精神的にもゆとりが出来るはずだ。
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