お客様は神様ではないというエントリーをしたが、企業のホスピタリティにも限度を作らなければいけない。
お金を払えば何をしてもイイ!というモンスター顧客を増長させてしまうと企業はブラックで対応しなければならない。
お金を払う客側とサービスを提供する企業側の調和無くして、ブラック企業なんてなくすことは出来ない。
ホスピタリティの限度
モンスター化
顧客の要望をなんでもかんでも聞いていたらキリがない。
以前、ある企業の大規模なシステムの導入を請け負ったところ、通常なら半年程度かかる内容の業務を3か月もしくは2カ月半で遂行して欲しいと依頼を受けたことがあった。
6か月で遂行する業務を半分以下にすればそれだけ品質は低下する。それでもいいかと聞くと品質は落としてほしくないと言う。
それでは請け負う事は出来ない。
いろいろと交渉を重ねた結果、最終的に上司の指示で期間を4カ月弱に圧縮し業務を請け負う事となった。
通常6カ月で出来る仕事を2カ月も圧縮するにはどうすればいいのか?
単純に時間で割って計算すればいいだけだ。
6カ月で出来る仕事という事は、1カ月180時間とすれば1080時間。
1080時間の仕事を4か月でやればいいのだから1カ月270時間仕事をすればいい。
そうやって企業はブラック化して顧客の要望に応じなければならない。
最適なホスピタリティ
ホスピタリティはもちろん大事な事だが、提供するサービスとサービスを受ける側で最適なバランスを保つ程度のホスピタリティに留めなければならない。
例えば車を製造するのであれば、顧客が満足する細部まで気配りされた車に仕上げるべきだろう。
とはいえ、100%誰が運転しても事故を起こさない車を作れ!というのは無理な話。
究極の完璧を求めようとしてしまうと、どうしてもサービスを提供する側に負担がかかりバランスが崩れてしまう。
限られた予算の中で、最高のサービスを提供する。これが真のホスピタリティ。
牛丼屋さんに来る客は、最高級の黒毛和牛なんて求めていない。
350円で早く気軽に食べられるサービスを期待して牛丼屋さんに来店している。
その顧客を満足させる最高のホスピタリティ、それが最適なのではないだろうか?
究極を求めることは決して悪くはない。
ただホスピタリティという言葉、サービス精神という言葉で吸収できるほど、究極というのは簡単なものではない。
究極を求めれば必ずどこかに無理が生じる。そしてどこかにしわ寄せが来ることは理解しておく必要がある。
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