労働基準法を全部守ってたら会社なんて潰れちゃうよ!という声はよく耳にする。
労働基準法は、違反すれば罰金や懲役も科せられる強行法規だが一体どこがおかしいのか?
そんな労働基準法の実務にそぐわない部分をピックアップしてみよう。
労働基準法とは?
労基法の特徴
まず労働基準法は、1947年戦後まもない時代に施行された法律。
戦前戦後の過酷な労働条件を解消する事が目的とされ、ベースは当時の工場法だったと言われている。
しかし戦後70年近くたっても大きな改正は行われていない。
そのため時代にそぐわない不可思議な条項も多く作られている。
労働時間
労働基準法で定める労働時間は、1日8時間、1週40時間までと決められている。
昔ながらの工場のように、朝9時からラインが稼働し、夕方の18時にラインが停止。お昼休みは12時から13時。
そんな勤務体系をしなければいけない職業の方が現代は少なくなっている。
そのため変形労働時間制やフレックスタイム、みなし労働時間制や裁量労働時間制のような柔軟な働き方に応じた法改正をしているが、全ての業種に適合するのは難しく、労働基準法一本で労働時間を管理するのは今の時代無理がある。
給与5原則
労働基準法には給与支払いの5原則というのがあるが、その中に通貨払いの原則というのがある。
この原則に基づくと給与の預金口座への振り込みは、労働者本人の同意を得た場合のみ出来るとされている。
つまりは、労働者が銀行なんて信用できない!現金でくれ!と言われたらそれに応じなければいけないということになる。
社員数が多い企業は、給与の振り込み作業でも大きな負担。
それを現金で払ってくれ!なんてわがままな社員のためにわざわざ現金で払えという法律になっている。
まさに時代錯誤。
振替休日と代休
振替休日と代休は似ているが別物ということを知らない経営者は多い。
振休は、予め休日と定められている日を他の労働日と変更する事により、休日労働の割増賃金を必要としない制度。
代休は、休日労働が行われた日のご褒美的な休日。なので休日労働には割増賃金が必要になる。
「ごめん明日休みなんだけどさぁ、急に人が足りなくなって出勤してくれない!」
と上司から言われて出勤し、代わりに他の日に休みを取った場合は、振休ではなく代休が正。つまり割増賃金が必要なのだが、多くの企業では振替扱いにして割増賃金を支払わない。
労働者側から見れば、1日休みが取れるんだからどちらでもいいという人もいるでしょうし、経営側から見るとこの代休という仕組みはあまり有り難くない制度だろう。
とこのようにいくつか例を挙げたが、労働基準法は既に老朽化した法律になっていて、また規制は年々厳しくなってきている。
これ以上ガチガチな規制ばかり強化してしまい企業活動に支障をきたさない事を切に願う。
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