富士そばを運営するダイタンフード株式会社会長の丹道夫氏のインタビューがとても心温まる。
丹会長はアルバイトやパート社員にもボーナスを支給する。
人間はみんな平等だからみんなにお金を払う。誰にでも出るものではないだろう。
ブラック企業は損をする
丹会長の内部留保とは?
一般の企業の内部留保とは、純利益から税金、配当金、役員報酬などを差し引いた額でそれを会社にプールする事を差す。
つまりは会社内に貯金する事。
しかし丹会長は、原則的に余計な内部留保はしないで、極力社員に給与に還元する。
社員の給与を出来るだけ多く支払うこと、待遇を良くしてあげれば社員は喜んで仕事をする。
それが内部留保なんだと表現している。目からうろこが落ちるような発言だ。
富士そばの開業は1966年ということは、今年で50周年。50年続けてこれたのは丹会長の人を大事にする経営方針の賜物なんだろう。
なぜブラック企業になるのか?
富士そばのようなホワイト企業もあれば、どうしてもブラック企業になってしまう企業がある。
しかしどの経営者も最初は少なからず社員のためにと考えて起業していたはずだろう。
それがいつの間にか従業員よりも売り上げ、利益重視のブラック企業になってしまう。
なぜブラック企業になってしまうのか?
その理由の一つは、日本特有の解雇規制にあるのかもしれない。
日本は一度正社員として雇用すると、よほどのことが無い限りその社員を解雇する事は出来ない。
経歴通りの能力が無くても、いつもさぼってばかりでも、無断欠勤が多すぎるとか、犯罪を犯したとか、よほどの事でもない限り会社を辞めさせることが出来ない。
そのため、企業は極力少ない社員数で業務を回していくしかない。
通常必要な人員よりも常に少ない社員数で会社を回しているんだから、社員に負担がかかるのも当たり前。
仕事が増えて業績が伸びるほど企業はブラック化していく。
特に飲食店チェーンは、従業員の過度な業務により支えられているケースが非常に多い。
安売り競争に勝ち抜いて利益を上げるためには、従業員一人一人に大きな負荷をかけなければ成り立たない企業も多い。
そんな中で富士そばは、従業員の待遇を上げることにより、従業員のパフォーマンスを上げ利益確保に成功している。
飲食店だから出来ないではなく、富士そばが出来るのに他が出来ない訳がない。という思いにさせられる、飲食店チェーンの経営者も増えるのではないだろうか?
一番大事な事は
富士そばの経営指針の一つに「社員の生活が第一」というフレーズがあるらしい。
一般の企業の経営理念は、お客様の満足とか最高のサービスとか、お客様が先に来ることが多いが、社員こそ一番大事という方針を取れる企業はなかなか多くは無い。
常に社員を大事にし、社員を満足させられるからこそ、お客を満足させることが出来る。
街の立ち食いそば屋さんの素晴らしい経営方針に感服させられてしまった。
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