青森県で2年以上も給料未払いで労働させていた事が発覚し、給与未払いのため最低賃金法違反で元経営者の男が書類送検されたらしい。
2年以上給料未払い?なんで給料もらえないのにもっと早く労基署に相談したり、辞めるなりしなかったんだろう?
美談なのか犯罪なのかよくわからない事件だ。
給与不払い
事件の概要
まずこの給与不払いの被害にあったのは40代の女性。
2006年頃から男性が経営していた乳製品販売業の事務や経理として働いていたが、人員不足により牛乳配達の実務までやっていたらしい。
その後、2013年ごろから経営が悪化して約2年間給料不払い。そして2015年12月に経営状態が悪化して女性を解雇し事業を閉鎖。
給料不払いだった2年間、女性は牛乳配達先の老人が困るといけないからという気持ちで、無給で働いていたたんだとか。
最低賃金法違反?
給与の不払いは本来労働基準法違反である。
労働基準法の第24条では、いわゆる給与支払いの5原則と呼ばれる規定があり、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められている。
まぁ全く払ってないんだから完全な労働基準法違反。
でもなんで最低賃金法違反になるのか?
それは単純に最低賃金法の方が罰則が厳しいから。
労働基準法24条違反の罰則は30万円以下の罰金。
一方最低賃金法の40条の罰則規定は、50万円以下の罰金とこちらの方が重いため、悪質な給与不払いは最低賃金法違反として送検されるようだ。
しかしなぜこの女性2年間も無給で働き続けたのだろうか?
女性の気持ちは?
この事件が起きたのは青森市古舘というところ。
実際訪れたことは無いのでどんなところかよく知らないが、GoogleMAPで見ればまぁまぁの田舎町だ。
東北地方は過疎化が進む地域も多く、こちらの地域も類に漏れず若者が減り高齢者の多い街なんだろう。
そんな地域で牛乳配達をすることで、老人たちに情が湧いてしまい、辞めるに辞められなくなってしまったんだろうか?
とはいえ、牛乳配達ってそれほど楽な仕事ではないと思われる。
地方都市のため車で配送しているのかもしれないが、無給で続けられるものではない。
女性は、経理も担当していたため会社の経営状態は熟知していたのだろう。
経営状態はとても自身に給与を払えるような状況ではない。でも自身が届ける商品を待っている、いや商品ではなくその女性が来るのを待っているお年寄りたちの気持ちを思うと、労基署に駆け込んでまで・・という気持ちが出てこなかったのかもしれない。
経営で苦しんでいる社長の思いも汲んでいたのだろうか・・
ただ男性側の行動は明らかな違反行為なので、いくら経営が苦しいからと言って認められるものではない。
まとめ
経営者やお客様に情が移り正当な給与の請求が出来ない。
友人、知人、親戚の会社に世話になっているため正当な給与の請求が出来ない。
という話はよく聞くが、給与面だけは絶対に情で動いてはいけない。
お金の面だけはキッチリとけじめをつけておかないと、言い出す機会を逃し、結局うやむやにされてしまう可能性が高い。
どんな境遇で働こうが契約通り労働の対価は確実に受け取る。貰えない場合は相応の対処を取る。
これだけは譲ってはいけない。
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