平成28年から東京都の最低賃金は932円になった。
阿部首相は東京オリンピックまでに最低賃金1000円を目指すという発言をしていたが、たしかこれって民主党も同じことを言っていたような。
932円から1000円に上がるとうことは、60円近くの賃上げ。あと4年弱で達成できるような数字ではない。
最低賃金
最低賃金とは?
最低賃金制度は、最低賃金法という独立した法律により定められた制度。
都道府県別に最低賃金を指定する地域別最低賃金と特定の地域、業種によって最低賃金を規定する地域別最低賃金という2種類に分かれるが、一般的に最低賃金と言ったら、前者の地域別最低賃金を指す。
筆者が高校生の頃、初めてのアルバイトは近所のファミリーレストラン。
その時の時給は確か530円だったことを明確に覚えているが、その金額はなんとか最低賃金を満たしていたようだ。
そこから30年近い月日が流れ、最低賃金は約2倍の金額になった。
企業は人を採用した場合、アルバイトだろうがなんだろうがこの最低賃金は守らなければいけないため、この金額を下回る労働契約自体が無効になる。
最低賃金は引き上げた方がいいのか?
最低賃金制度自体は悪い事ではないどころか、むしろ効果的な面もある。
外国人労働者や若年の労働者など、法律など知らないような人材に対して不当に低い金額で契約を結び労働させることを防ぐ効果がある。
もし最低賃金が無かったら、無法地帯になってしまうだろう。
とはいえ、法律で青天井に引き上げてしまった時、困るのは誰なのだろうか?
企業側からすれば、法律で給料を上げろ!というのなら法律でその分を補てんしろ!と言いたくなるだろう。
最低賃金を引き上げるのはいいが、売り上げはその分上がる訳ではない。
賃金を引き上げる分、当然売り上げを伸ばさないと利益は下がる訳だから、経営者側にとってはこのまま無条件で引き上げられても納得できるものではない。
そして労働者側にとっても最低賃金の引き上げは良い事ばかりではない。
企業も一人あたり雇用する度の支出が増えるのであれば、採用する人員を削る方向に出るだろう。
そうなれば雇用が減る事になるため、労働者側からすれば損失だ。
さらに最低賃金を定められることにより、企業は最低賃金を払ってればよい!という感覚となり、それ以上の賃上げを拒むケースも出てくるだろう。
このように最低賃金を引き上げることによる弊害も計り知れない。
結論
最低賃金法は、抑止力としての効果はあるが、雇用の拡大や企業活動を閉塞化させてしまう恐れもある。
ただやみくもに最低賃金を上げている訳ではないのだろうが、もう少し企業レベル、労働者レベルの立場に立って考える必要がある。
このまま1000円まで引き上げてしまったら、歪みの方が確実に大きくなるだろう。
どうしても1000円まで引き上げたいのなら、時期を見て慎重に判断しなければ誰も納得する結果にはならないだろう。
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