たまにこんな質問を受けることがあります。
「社会保険労務士の資格を取ると転職に有利なんですか?年収上がるんですか?」
このような質問を投げかけてくる人たちは、一体資格に何を求めているのでしょうか?
役に立たない資格
就職転職に役に立つ?
Windowsでお馴染みのマイクロソフトが実施しているMicroSoftOfficeSpecialist略してMOSという資格がある。
この資格はマイクロソフトの主力ソフト、Officeの実力を測る資格試験という位置取りだが、ハッキリ言えば入門レベルの試験。
いわゆるベンダー資格と呼ばれる資格試験で、企業が独自に開催している試験のため、国家資格のように受験者数や合格率などの正式な数字は公表されていない。
だが推定合格率は、90パーセント以上とも言われている。
つまりある程度の知識があれば、ぶっちゃけ誰でも合格できる類の試験だ。
このMOSという資格を取得して、転職に有利になりますか?と聞かれても、ハッキリ言って誰もが困るだろう。
会社内にパソコンが1台か2台しかなく、そのパソコンを使う人は事務の限られた人。
その人達しかExcelとかWordを使わないという時代ならまだわかる。
それがスマートフォンでもOfficeを使える時代に、MOSという資格が就職・転職の切り札になるなんて考え自体がちょっとズレている。
目的に応じた資格
とはいえ、まだ事務の仕事がしたい。
前職とは違うヘルプデスクのような仕事がしたい。という目的でMOSを取得するのならまだいい。
中にはIT関連の仕事がしたい!IT業界へ転職したいというのに簿記の資格を取得してくるような人がいるから困りもの。
もちろん簿記という資格は立派な資格だし、1級ともなれば専門的な分野で活躍できる。
だが簿記の資格を活かすのであれば、ITではなく経理、事務の仕事を目指すべき。
目的に応じた資格を取得していかないと、どんな資格だって取得しても無用の長物になってしまう可能性がある。
なりたい自分に向けて
いくら難しい資格を取得したところで、その業界で必ず成功が約束されている訳ではない。
公認会計の資格を取得したからと言って、必ずしも監査法人に就職できる訳ではない。
司法試験に合格したからと言って、誰もが独立して開業できる訳ではない。
資格は夢をかなえる魔法の道具ではないのだ。
だから資格試験に身を委ねてはいけない。
この資格を取ったらこうなれる。この資格を取れば人生変わる。この資格を取れば就職できる。
資格はそんな便利なパスポートではない事に早く気が付く必要がある。
将来的にこうなりたい。そのためにはこの資格が役に立つ。いやこの資格を取得しないと自分の目標に到達できない。
という目線で資格を選ばないと意味がない。
独立開業して人の役に立ちたい!というのにMOSの資格は選択肢には出てこない。
今の仕事でもっと専門的な知識を身に着けたいと思ったら、選択肢に上がる資格は限られてくるはずだ。
資格選びは、自分の目標に向けて選ぶもの。資格から何かを導いてもらおうという考えは今すぐ捨ててしまおう。
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