決算の数字が全然合わないんだよ。
お気持ちは察します。
経理担当
お金の管理
会社という組織には必ずお金の出入りが発生する。
まずは資本金を集めて会社を登記し、その後売り上げが発生し売掛金が出来て、社員の給与が発生して、その後客先から入金がある。
そして順調にいけば、売掛金、入金、出金という流れを繰り返して会社というのは徐々に呼吸を始め成長していく。
しかし、よほどの現金商売でもない限り、入金と出金には必ずタイムラグがある。
だからこそお金を管理する金庫番、経理担当は会社には欠かせない存在なのだ。
一般の家庭でもお給料が入り、家賃や光熱費を支払い、その後カードで決済されるというようなお金の流れは必ずある。
とはいえ一般家庭であれば、せいぜい動くお金は数十万円程度の話。
だが会社規模になると、目の前で平気で数百万、数千万円単位のお金が動いていくのである。
銀行口座にも個人の口座とは違い、常に数百万円から数千万円のお金がプールされている。
全ての権限を持った経理担当は、そのお金を全て自由に動かせる権利を持ったと同じ事。
となれば、誰しも「魔が差す」瞬間がやってくるものだ。
一度魔が差してしまい、お金を懐に入れてしまい、もしそれが幸運にもバレなかった時、人は一線を踏み越え泥沼にはまっていくようになってしまう。
それほどお金というのは人を変える魔力を持つ。
経理担当者を信用しない
中小企業にとって最も大事なものは「キャッシュ」。
銀行口座にキャッシュがある内は、どんなに苦しくたって会社というのはなかなか潰れるものではない。
キャッシュがある内は、回収率の悪い仕事や利益率の悪い仕事でも引き受けて当座を凌ぐことが出来る。
しかしキャッシュが怪しくなり、資金調達もままならなくなってくると、受けたくても仕事が受けられなくなってくる。
社員の給与を止めなければキャッシュが回らなくなってくるようになると末期症状。
よほど奇跡的な仕事でも受注出来ない限り、まず間違いなく会社はじり貧になり最終的には飛んでしまう。
それほどお金というのは会社にとって必要不可欠な存在だ。
だから大事なお金の出入りを、経理担当に全面的に任せっきりにしては絶対にダメだ。
中小企業の社長さんの多くは、財務諸表を学ぶのが面倒臭いため、ついつい経理担当者にお金に関する部分を丸投げしてしまう。
もちろん財務諸表を学ぶのが面倒なら、無理して学ぶこともない。
それでも絶対にキャッシュフローだけは確実に抑えておくべきだろう。
毎月この時期にこれだけのお金が出ていき、毎月これだけの入金がある。
毎年この時期には税金を支払う必要がある。労働保険料はこの時期。社会保険料はこの時期に変更される。
先日受注した仕事の入金は、何か月後。発注した材料の支払期日はここ。
というようなお金の流れをスケジュールに割り当て、銀行口座の残金と常に睨めっこしていれば、不正なお金の流れは掴めるようになる。
経理担当者には小口の現金の管理は任せてもイイ。しかし全ての権限を与えることは絶対に避けるべき。
人は誰しもお金の誘惑に負ける。だからこそお財布の紐は社長さんがしっかりと固く守るべきだろう。
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