何度かお伝えしているが、筆者は一度社労士試験の勉強を投げ出している。
環境の変化とか実業務の過多とかいろいろと理由を挙げてはいるが、早い話単なる挫折。
挫折した理由にはいろいろあるのだが、実は「速読」というキーワードに流されてしまった事も一つの原因だったのかもしれない。
速読
速読を試した理由
社労士試験の勉強を始めると、とにかく試験範囲の広さに愕然とする。
それまでもいくつか資格試験に合格したことはあったのだが、他の試験は参考書1冊と問題集1冊くらいあれば何とかなったものだ。
それが、社労士試験の場合、労働基準法だけでも分厚い参考書なのに、その参考書を10冊以上読破しないといけない。
1冊読み込みなんとか理解できたかなと思い2冊目に。そして5冊目を読む頃には1冊目の事はほとんど忘れてしまっている。
こんなイタチごっこのような事をしていたんじゃいつまで経っても理解が深まらない。
そんな時、ふと電車の広告で目に入ったのが「驚異の速読塾」という内容の書籍だった。
元々本を読むスピードはそこそこ自信があったのだが、法律関係の本は読むのに膨大な時間がかかる。
だから5冊目を読む頃には1冊目を忘れ、10冊目に辿り着いた頃には、6冊目以前は忘却のかなた。
こんな状況を速読で読み込んでいけば打破できるのではないか?
とひらめき、速攻で本屋に駆け込み速読法というタイトルの書籍を購入し、速読術を鍛える訓練を始めた。
その書籍に書いてあった速読術は、文章や文字を目で追ってはいけない。文章の頭と末尾に黒い点を打ち、ひたすら目を上下に動かして黒い点だけを追っていく。
その時大事なのは、本をめくるスピード。
最初のうちはゆっくりでもいいが、慣れて来たらパラパラ漫画がきれいに動くようなスピードでめくる必要があるんだとか。
それにより文章を画像のように脳にインプットする事が出来、通常の10倍以上のスピードで理解できるようになるんだとか。
筆者は電車通勤の行き帰り、ひたすらその速読法を実践してみた。
するとある程度の簡単な小説程度なら内容が理解できるようになった(ような気がする)。
さぁ準備万端。いざ労働基準法の参考書へ!
とこらが・・・全く内容が入ってこない
もちろん全く理解することができず、速読法の習得は完全なる徒労に終わった。
速読は化学的に不可能
速読は不可能である!と科学的に立証されたというニュースが流れた。
もちろん速読は可能だ!という団体もあるし、反論もあるだろう。検証の方法に異論もあるのだろうが、少なくとも書籍の内容を速読で深く理解する事が不可能なのは間違いないだろう。
書いてある内容を浅く理解する、いわゆる斜め読みレベルなら可能なようだが、法律の学習に斜め読みでは意味が無い。
ただでさえ法律の条文は、普段使わないような言い回しや、読みなれないような言葉が羅列されている。
その条文を頭に入れ、解説を理解し、ポイントを理解する。そして詳細を記憶していく。
そんなことが速読で出来る訳が無い!
大体速読に向いているのは、手のひらに入るレベルの文庫本で、図とか注意書きが無いようなキレイな並びの文章の方が読みやすいらしい。
そもそも資格試験の参考書って、全くその要件から外れてるし。
皆さまも速読法なんて甘い誘いに無駄な時間をかけてはいけません。
そんなの試すのお前だけだ!というツッコミは不要でお願いいたしますw
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