老後の生活を支える年金ですが、年金には繰り上げと繰り下げという制度が用意されています。
年金の繰り上げは、本来なら65歳からもらえる年金を65歳になる前に欲しい!60歳から前倒しでちょーだいよ!という制度。
逆に繰り下げ制度は65歳から年金貰えるけどまだいらないよ。
もうちょっと経ってから貰うから、欲しくなったら声かけるよ!という制度です。
まずは繰り上げと繰り下げでどれくらい差があるか見ていきましょう。
老後の年金
年金繰り上げ
まず年金の繰り上げを請求する場合には、いろいろと要件がありますが、ここでは国民年金に40年間加入していた60歳の男性という前提で話を進めます。
年金を繰り上げてもらう場合、貰う月を早めるたびに0.5%の割合で減額されます。
64歳から貰いたいのであれば、0.5%かける12ヶ月ですので6%減額されることになります。
それが60歳から貰うとなると1年で6%マイナスですので、5年分になると30%マイナスされた金額を受給する事に。
平成28年の満額の受給額780,100円ですので、30%減となれば546,070円です。
ただでさえ少ない年金がこんなにも減ってしまいます。
しかも一度繰り上げてしまうと、その金額は亡くなるまでずっと割り引かれた金額になってしまいます。
人生何が起こるかわからないという理由で、安易に繰り上げて支給してしまう方も多いのですが、繰り上げ支給はかなり損することは間違いありません。
繰り下げよりも繰り上げる場合は、もう一度慎重に考えてみて下さい。
年金繰り下げ
逆に65歳になってもまだ年金いらないよ!
という人は66歳になったら繰り下げの申請が出来ます。
繰り下げる場合は、1カ月毎に0.7%増えてもらえるようになります。
ただいつまでも増え続けるわけではなく最大の上限は42%まで。
つまりMAXは5年間です。
上限まで引き延ばして繰り下げると70歳から貰える金額は1,107,742円となります。
5年間繰り上げた場合と繰り下げた場合では、50万円以上の差が出てしまうという驚愕に結果になるのです。
どっちが得
それでは繰り上げた人、と繰り下げた人、そして普通の人、どの選択肢がお得かレースをします。
年金額の総額を年齢順に積み上げていき、80歳を超えた時点で総額いくらもらえるのかを競ってみます。
よーい!スタート!
繰り上げの人
- 60歳 546,070円
- 65歳 2,730,350円
- 70歳 5,460,700円
- 75歳 8,191,050円
- 80歳 10,921,400円
普通の人
- 60歳 0円
- 65歳 780,100円
- 70歳 3,900,500円
- 75歳 7,801,000円
- 76歳 8,581,100円
- 80歳 11,701,500円
- 82歳 13,261,700円
繰り下げの人
- 60歳 0円
- 65歳 0円
- 70歳 1,107,742円
- 75歳 5,538,710円
- 80歳 11,077,420円
- 82歳 13,292,904円
まず繰り上げの人は、普通の人に76歳まで生きると抜かれます。
繰り下げの人は、80歳まで生きれば繰り上げの人より多くなり、82歳まで生きれば普通の人よりも多くなります。
そしてその後は長生きするたびにどんどん差は開いていきます。
もちろんこれは他の加算等を含まない単純な計算ということに注意してください。
結論
今や平均年齢が80歳を超えてますので、繰り下げられるのであれば繰り下げた方が金額的にはお得です。
ですが、人生何があるかわかりません。
いくら繰り下げをしたって80歳になる前亡くなってしまうかもしれません。
対象の遺族もいなければ、年金を受給することなく終わってしまう可能性も否定できません。
そう考えれば、貰えるんなら早いうちに貰っておいた方が損する事はなだろ!とう意見もあるでしょう。
ただ80歳を過ぎて、さらに90歳近くになってしまうと、多くの人が頼りに出来るのは年金だけです。
60代ならまだ十分働けますが、80過ぎるとそうそう元気に働けるものではありません。
前述したように一度繰り上げて受給してしまうとずっと低い年金のままになってしまいます。
ですので、60代で元気なうちは年金もらわず働けるのなら働いて、通常の65歳から、もしくは数年繰り下げてから年金を受け取った方が後々困らないのではないでしょうか。
まぁ結局どちらを選ぶかは、最終的には自分次第という結論になってしまうんですがね。
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