男女雇用期間均等法が制定されて既に20年以上の年月が経過するが、多くの中小企業は女性の雇用に積極的になれない理由がある。
それは何と言っても出産後の職場復帰場所の確保。
出産の際、多くの女性は産前産後休暇を取得後、約1年から1年半の育児休業を取得し、職場に復帰する。
しかし中小企業の場合、適切な復帰場所を確保できないケースが非常に多い。
出産後の職場復帰
時短勤務
職場復帰する女性は、大抵の場合共働きもしくはシングルマザーだろう。
共働き、シングルマザーの母親でも、実家に近いもしくは両親が近くにいるのであればさほど困らないのだが、そうでない場合は、時短勤務で復帰しなければならない。
時短勤務は、朝9時から16~17時程度までの時間に限定した働き方なのだが、業種によっては急な残業が発生したり、急な休日出勤が発生したりすることがある。
そんな業種の場合、時間縛りのある社員では制約が多すぎて業務が回らなくなってしまう。
それじゃ子供がある程度手が離れる年齢になるまでは、総務や経理の手伝いや庶務的仕事をしてもらえばいいじゃないか?と思うかもしれないが、そもそも中小企業には何人も総務の社員を抱えておく余裕はないのが実情だ。
テレワーク
そんな悩みを解決してくれる切り札になるかもしれないのかテレワーク。
離れて働くという意味合いのテレワークは早い話が在宅勤務。
総務省などが中心となり推し進めているテレワークは、こらからのダイバーシティ推進の第一歩と捉えられているらしい。
確かにいまどきパソコンを家でつなげるのなら、毎日会社に行って仕事をする必要もそれほどない。
必要な環境が全て揃っていれば、自宅で仕事が出来るため、小さな子供を持つワーキングマザーには打ってつけだろう。
だがしかし、中小企業はまずこのテレワーク環境を構築する予算もノウハウもない。
仮に構築導入がが出来たにしても、そもそもテレワークを利用して出来る仕事もないのが実情だ。
テレワークを導入できる業種自体が限られているため、テレワークも職場復帰の切り札になるとは言い難い。
結論
中小企業に勤めている女性で、出産後職場復帰を考えているのであれば、出産を考える前にそもそも自分の会社は時短勤務が出来るのか?テレワークは可能なのか?を確認しておく必要があるだろう。
もしこの両方がダメなのであれば、実家の近くに住む等を考えて最悪の場合両親の手を借りる手はずを取っておくべきだろう。
もちろん保育園以外にもお迎えに行ってくれたり、食事を摂らせてくれるサービスもあるが、それらのサービスはある程度料金がかかるため、働いたのにその分支出が増えて生活が苦しくならないよう考慮が必要だ。
職場復帰はする、時短やテレワークは会社から無理と言われた、両親も手伝ってくれない!のであれば、いっそ子供が10歳になるまでくらいは無理して働かない、もしくは会社を辞めてパート程度の働きにするという選択肢もあるだろう。
そんな状況でもどうしてもフルタイムで働きたいのであれば、子供に大きな負担をかけることを覚悟する必要がある。
コメントを残す