憧れのマイホームという言葉は一昔前のものになってしまったのでしょうか?
都会の喧騒を離れ、郊外にマイホームを建てて、長距離通勤しているという人も減っているように感じますが、まだまだ郊外に家を買いたいという方は多いのでしょう。
長距離通勤するとなれば、当然交通費も高くなりますので、通勤手当ももちろん高額になります。
そんな高額の通勤手当は、受け取った方が得なのでしょうか?
通勤手当
通勤手当と税金
通勤手当は、所得税の対象ではなく非課税(上限10万円)になりますので、交通費が高い人と低い人の税金の額は原則変わりません。会社側も通勤手当は損金扱いになりますので、法人税の軽減に多少ながら貢献します。
ですので、税金という観点では通勤手当の額は関係ないと言ってもいいでしょう。
手取り
ただし通勤手当は、社会保険料の計算には含めないといけません。
概算ですが、給料が200,000円で通勤手当ゼロの人と通勤手当3万円の人で比較してみます(平成28年東京都の標準報酬月額)。
給料が200,000円の人は社会保険料として28,142円ですので、所得税、雇用保険を除けば手取りは171,858円になります。
一方給料200,000円でも通勤手当が3万円かかる人は230,000円で計算することになりますので、社会保険料は30,956円。
交通費3万円は毎月の定期代で消えるため169,044円。
つまり通勤手当が多いと、手取り自体は減ってしまうということになります。
もちろん会社側も同額の社会保険料を支払う必要がありますので、会社側の負担も大きくなるということになります。
将来の年金額
当然社会保険料が高いという事は年金を多く支払っている訳ですので、将来の年金受給額は増えることになります。
1等級違うと40年間で年金額が約10万円程度違いますので、将来の年金額を考えれば通勤手当は多い方がいいでしょう。
ただ手取りが3千円違うということは、40年間で144万円程度違うことになります。
144万円を取り返すには、年金受給後から約14年長生きする必要が出てきます。
まとめ
通勤手当が多いと税金の額は変わりませんが、当然社会保険料が高くなるため、手取りは減るが将来の年金は増える。
さらに出産手当金や育児休業給付金の額なども増えるため、手取りが減っても悪い事ばかりじゃありません。
ただ通勤手当が増えるイコール通勤時間が長くなることは間違いありません。
仮に通勤時間が往復4時間で通勤手当が4万円とします。
4時間を20日間続ければ80時間。
それで1月4万円の手当なら1時間当たり500円ということになります。
もし通勤時間がほぼゼロの人であれば労働時間は8時間。
通勤4時間の時間は12時間労働のようなもの。
満員電車に長時間揺られて時給500円の手当と考えると、長距離通勤は決して割のいいものではないでしょう。
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