SEの35歳定年説がいまや65歳定年説になった3つの理由

一昔前叫ばれていたSE(システムエンジニア)やPG(プログラマ)、NE(ネットワークエンジニア)の35歳定年説。

SEやPGは、常に新しい技術を身に着けなければならないし、しかも時間が不規則で納期に追われる激務の職業。

そのためSEは35歳程度で技術的にも体力的に枯れてしまい、その後はマネージメント的な仕事にシフトしなければならないなんて言われていた時期がありましたが、今やそんな話は都市伝説となってしまっている。

SEの定年

35歳定年説

そもそも35歳定年説と言われたのはいつ頃なのだろうか?インターネットが世間一般に使用されるようになったのは、Windows95フィーバーに沸いた1995年頃。

その頃、インターネットを中心としたコンピュータ関連技術は凄まじい進歩を遂げ、まさにインターネット革命と呼ばれるほど世界は変わった。

当時の技術はドッグイヤーで進歩すると言われ、そんな進歩についていけるのはせいぜい35歳くらいまで。

35歳以降はよほどの好奇心と執着心、そして技術力がないとSEの最前線で働くことは出来ない。

つまりSEなんて35歳くらいで仕事についていけなくなるから、SEとしては定年だよという話だったようだ。

しかしそんな説ももはや昔話となっている。

進歩の停滞

ドッグイヤーと呼ばれたIT技術も、ここ数年大きな変化は止まっているのかもしれない。

こと基盤に目を向ければ、一昔前はハードウェア全盛だったのが、クラウドが中心となり、仮想化という世界が隆盛を極めている。

しかし、その上に乗っかるOS達は相変わらずWindowsだし相変わらずUNIXライクなLinux。

Officeなどのソフトも、Offiece2007と2013があんまり変わらないように、ここ数年劇的な進化は遂げていない。

ハードディスクがSSDに置き換わり、CPUも高速になり、メモリもどんどん安価になってきたが、ここ数年レベルでは大きな変化はない。

つまり35歳過ぎた人達でも、20代に蓄積した知識の上積みで十分対応できてしまうのだ。

PCからスマホへの転換

ここ数年IT技術はそれほど劇的な変化は無いとはいえ、最も大きく変化したのはスマートフォン。

ここ3~4年で携帯電話はスマホが当たり前の世の中になり、今や小学生からおじいちゃんおばあちゃんまでスマホを使いこなしている。

凄まじい進歩なのだが、その反面、スマホは若者からパソコンを奪ってしまった。

ネットを見るにもスマホ、メール(今ではLINE)をするのもスマホ、動画を見るのもスマホ。

若者にとってパソコンは無用の長物に成り下がってしまった。

しかし、スマホを作るためにはプログラミングが必要。なのでSEはパソコンが使えないと困るって訳。

もちろんプログラミングだけでなくNW技術もサーバ技術を使うにもパソコンスキルは必須。

スマホの現を抜かしてパソコンが苦手な若者より、若いころからパソコンばっかりいじっていたオッサン連中の方がパソコンに詳しくなってしまったのだ。

少子高齢化

そして結局どこにも出てくる少子高齢化で若者の労働力不足。

これはIT業界にも漏れなくついてくるキーワードで、IT業界も万年的な人手不足。

ただでさえ若者が入ってこないというのに、経験も技術力も豊富な35歳以降のSEを手放していたら、大手のメーカーも大手のSIerも仕事なんて回らない。

今では50を過ぎても下手すりゃ60を過ぎても健康でさえあれば、十分戦力になる時代になっている。

様々な理由が重なりIT業界も最早35歳どころか60歳を過ぎたような人達でも活躍できる場所になった。

それだけITが特殊な業界ではなくなり、今では誰でも働ける業界になってきたという事かもしれない。


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